こんにちは、タカヒロです。
そういった疑問にお答えします!
筆者の経歴
・公立中学教員6年勤務
・県立高校教員2年勤務
ありがたいことに、珍しくも【中学校 ➡ 高校】へと人事異動し、どちらの現場も経験してきました。
結論から言うと、
・好奇心をくすぐりながら和気あいあいと授業したいなら中学校
・時間的な余裕を優先したいなら高校
を選ぶことがおすすめです。
詳しく説明していきます!
Contents
【中学教員と高校教員】仕事・労働時間の違いを現役教員が解説!
中学教員と高校教員で仕事にどのような違いがあるのか、
1 生活面について
2 教科指導について
3 部活について
それぞれ見ていきましょう。
1 生活面について
【中学校】
中学校では朝から夕方まで、生徒に付きっきりです。
朝の会、授業、給食、昼休み、授業、掃除、帰りの会、そして部活。
ふと気が付くと夕方になっています。
中学校での日中は生徒と常に一緒で、正直非常に忙しく慌ただしいです。
色んなタイプの生徒が教室・学年にいるので、教員は常に「何かが起きるかもしれない」というアンテナを張りながら生活します。
監視をするわけではありませんが、教員の見ていないところでトラブルが発生すると後々厄介なので、常に生徒を近くで見守るよう心がけます。
しかし、その分生徒と関わる密度が濃いとも言えます。
昼休みに教室で一緒に談笑したり、外でサッカーをしたり、おかわりじゃんけんに参加しながら給食を楽しんでいると、なんだか気持ち的に若返ったように思えます。
ケンカ、いじめ、万引き、不登校、、、色々なトラブルは起きてしまいますが、生徒と一緒になって乗り越えていくところに、中学校教員のやりがいはあると思います。
やんちゃで迷惑をかけた生徒ほど、卒業後に学校に遊びに来て、成長ぶりをみせてくれたりもします。
一番成長幅の大きい中学生の時期に、色んなタイプの生徒の成長を身近に見守ることができるのは中学校教員の特権です。
【高校】
学校の校風、学力レベルによりますが、基本的には生徒の自主性に任されています。
教員が昼食に介入したり、休み時間に一緒に遊んだりということもありません。
そのため、生徒と一緒にいる時間という面では、中学校よりずっと短いです。
中学校と比べると滅多にトラブルは起きないので、常にアンテナを張っておくという必要はなく、授業以外の時間帯は教材研究や学年業務に集中できます。
中学のように慌ただしいということは滅多になく、多少のゆとりを持って学校生活を送ることができるように思います。
2 教科指導について
【中学校】
1つのクラスに、様々な学力レベルの生徒が混在しています。
慶應早稲田を目指す生徒もいれば、なかなか落ち着いて自分の席に座っていられない生徒もいます。
そのため、どこのレベルに授業の焦点を合わせるのかは難しいです。
簡単すぎると成績上位の生徒は飽きてしまい、難しすぎると成績下位の生徒をおいていってしまうことになります。
成績下位の生徒も頑張ってついていけるレベルで、かつ上位の生徒を飽きさせない工夫が必要です。
「基礎基本を定着させること」をメインとしつつ、上級者向けのスパイスも加えていく必要があります。
しかし、知的好奇心を喚起するようなネタや工夫を授業に取りいれれば、学力差に関係なく、無邪気に楽しんでくれます。
発想やひらめきが重要な問いかけをすれば、ここぞとばかりにテストでは良い点が取れない生徒が思いがけない発想を披露したりします。
そういった中で、和気あいあいと授業を楽しむことができます。
【高校】
高校では、入試によってある程度学力が同じくらいの生徒が集まっています。
そのため、授業の狙いや焦点は定めやすいです。
「この生徒達にはここまで知っておいてもらいたい」と明確に定めて、授業の内容をより専門的に深堀することができます。
全体の理解度が悪ければ、「教員側の伝え方が悪かったのか」といったように分析もしやすいです。
一方、高校のレベルにもよりますが、大学に進学する生徒の多い高校では、大学受験を見据えた授業を展開しがちになります。
生徒のモチベーションも知的好奇心より「大学受験で使える知識」へと傾いてしまいがちな面があり、「教えたい内容」と、「生徒が求める内容」のバランスを取ることが難しいです。
3 部活について
【中学校】
一応持ちたい部活の希望は取られますが、何部を担当するかは勤務する学校で何部の顧問が空いているのかによります。
部活に大変熱心な先生方も多くいますが、多くは素人顧問なのが現状です。
それでも保護者の中には顧問の専門性を疑う声を掛けてくる方もいるのがつらい所です。
専門的な指導をコーチにお願いしたり、卒業生を呼んだりと、様々な工夫が必要になってきます。
部活の生徒は初心者の生徒が多く、たまたまその地域にいる生徒が一緒になって活動をしていく、というイメージが強いです。
本当にスポーツに長けている生徒は地域のクラブチームに入っていたりします。
そして、最近の傾向では、やっと教員の部活負担を軽減する取り組みが始まりました。
僕が勤めていた地域でも、平日一日オフ、土日どちらかはオフにするようになりました。
しかしまだまだ部活の負担は大きいのが現状ですので、早急にさらなる負担軽減が求められています。
【高校】
高校では、「○○高校の○○部に入りたい!」と、部活に注目して入学してくる生徒も多くいます。
その道のスペシャリストな顧問が多くいて、活発に部活が行われています。
何部になるのかは中学校と同じで勤務先の空き状況次第ですが、いきなり強豪チームの主顧問になるということはないように思います。
その分、人気のある部活の顧問になると、活動が多く、土日はほとんど部活に費やす、ということも少なくありません。
中学校のように部活を縮小・外部移行していこうという流れも、今のところはとくにありません…。
高校ではサッカー部を副顧問で担当していましたが、テスト前以外土日のオフはなく、平日も月曜以外はがっつり練習します。
平日は練習の片付けが終わると19時くらいでした。
「部活に対してモチベーションのある生徒に、思いっきり打ち込んでもらいたい!」という思いが強い先生にとっては、高校の方が面白いのかな、と感じます。
【中学と高校】教員の平均的な一日の過ごし方はどうなのか
次に、中学教員と高校教員で、平均的な一日の過ごし方はどうだったのかをまとめました。
中学校【中二担任、サッカー部顧問、生徒会担当】の場合
7:10 出勤 朝練の準備
7:55 朝練終了
8:15 出席確認
8:50 授業開始
(基本空きコマは一日1つか2つ。生徒との連絡帳チェックで1時間使い、日中はほぼ作業が出来ない…。)
15:50 帰りHR
16:00 部活開始
18:00 部活終了、生徒帰宅
(ここから担任業務、学年業務、生徒会の仕事を開始。)
21:30 帰宅
(帰宅後に翌日の授業準備…。)
高校【高一担任、サッカー部副顧問、教務部】の場合
7:30 出勤 (朝練にはほぼ出ず、生徒が自主的に活動。授業の準備を進める。)
8:25 出席確認
8:45 授業開始
(基本空きコマは3つくらい。教材研究、教務の仕事を進める。)
16:00 帰りHR
19:00 部活終了 (翌日の授業準備が終わり次第、部活に参加。)
19:15 帰宅
書い出してみると、時間的な余裕は圧倒的に高校の方がありますね!
中学教員は本当に時間的な余裕はないです。気が付くといつも夕方になっています。そして遅くまで学校に残ることも多いです…。
高校では夜20時以降に学校にいることは一切ありませんでした。
時間的な余裕の面だけで言うと、完全に高校の一択だと思います。
とはいえ、高校でも勤務時間は大幅に超えていますから、早急に組織としての改善が必要です。中学校はなおさらですね。
何をメインに生徒と関わっていくかを考えよう
まとめると
中学校 → ◎生活指導、〇教科指導、〇部活、 時間的な余裕✕
高校 → 〇生活指導、◎教科指導、◎部活、 時間的な余裕〇
ということが言えるかと思います。
自分が何をメインにして生徒と関わっていきたいかによって、中学教員を選ぶか高校教員を選ぶかは変わってきます。
中学か高校かで悩まれている方への何らかのヒントになれば幸いです!
以下の記事でも、教員の働き方について紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。