こんにちは、タカヒロです。
「もう教員になったから、海外留学とか行けないや、、、」
そう諦めていませんか?
しっかりとした手順を踏んで準備していけば、どの教科の教員でも教員を辞めずに、長期留学に行くことは可能です。
この記事では教員を辞めずに長期の留学にいく方法を紹介していきます。
この記事の内容
・自己啓発等休業を実現させる手順
・教員を辞めずに、休職をして留学するメリット
筆者の経歴
・公立中学で4年間勤務し、自己啓発等休業制度でイギリス大学院へ留学
・2017年7月に休職し、2018年10月に職場に復帰
留学を検討している教員の方々へ、一つの事例としてご参考になれば幸いです。
それではどうぞ。
教員が休職をして海外留学する方法
教員を辞めずに長期留学に行く方法とは、ずばり「自己啓発等休業制度」を使うことです。
自己啓発等休業制度とは、教職員としての身分を保有し、職務に従事しない形で、基本2年までの休業が可能な制度です。
主な目的は、大学院修学や青年海外協力隊への参加等です。
つまり、ちゃんと休職という形で長期留学ができる制度が存在します。
しかし、この制度自体知られていないか、誤解されていることがほとんどです。
当時、僕も周囲の先生にこの制度について聞いたところ、誰も知っている人はいませんでした。
さらに、県教育委員会と掛け合った際には「この制度を使って当県から海外に行くのは初の事例だ」ということでした。
教員には様々な権利が与えられています。
それらを知らないのは損ですし、自身の成長のために、活用できるものは活用するべきではないでしょうか。
自己啓発等休業を実現させる手順
自己啓発等休業制度を使って、僕が海外留学を実現させた手順は以下の通りです。
手順
1、校長先生に「自己啓発等休業制度」の話を持ち掛ける(前年度)
2、どこの大学に何を学びに行くかを決める(3~4月)
3、自己啓発等休業制度の計画書、志願書等を作成する(5~6月)
4、必要書類を集めて、大学にアプライする(7~8月)
5、大学からのオファーを手に入れる(~1月)
6、大学の入学許可証を提出する(~2月)
7、自己啓発等休業制度の正式な許可を受ける(3月)
8、ビザを取って、留学へ!
順を追って説明していきます。
1、校長先生に「自己啓発等休業制度」の話を持ち掛ける(前年度)
出来るだけ早く、校長先生に留学する話を持ち掛けましょう。
僕の場合は、校長先生へ留学の意思を伝えた際、「自己啓発等休業制度」の存在を教えてもらったことが全ての始まりでした。
校長先生は次年度の人事配置も考えています。
留学する意思があり、1年後にいなくなる可能性があるということは早めに周知しておきましょう。
2、どこの大学に何を学びに行くかを決める(3~4月)
どこへ何を学びに行くのかを検討していきましょう。
1年間で修士を取りたいのであればイギリスやオーストラリア(一部)、じっくり2年掛けたいのであればアメリカが主な留学先候補となってきます。
どれくらいの期間留学が可能なのか、職場の事情、留学費用等を考慮して決めましょう。
また、大学によって学べる内容、環境は異なってきます。
例えば、MA TESOLと言っても、理論中心なのか、実践中心なのか、その内容は様々です。
SI-UKやbeoなどの留学エージェントを利用して、とにかくたくさん情報を集めましょう。
私の場合は、
・もともとイギリスに興味があったこと
・費用的に一年間が限度だったこと
・ブライトン大学では世界で唯一、「MA TESOL with ICT」というICTに特化した実践的な内容を学べたこと
といったことが留学先を決めた要因でした。
大学院の決め方について詳しくはこちらをどうぞ。
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【イギリス大学院】留学先の選び方で重要な4つのポイントを解説!
続きを見る
3、自己啓発等休業の計画書、志願書等を作成する(5~6月)
留学先となる大学を絞ったら、自己啓発等休業の計画書、志願書等の書式を校長先生から頂き、記入していきます。
そのほかにも、誓約書や、大学のシラバスと、その和訳が求められます。
計画書では、いつからいつまで休職したいのか、どんな授業を取る予定なのかなど、細かく記載することが求められます。
また、欧米の大学は9月始まりのため、4月~9月まではどうするのか記入する必要があります。
僕の場合は7月末からのpre-sessional コースに参加したかったため、一学期終わりの7月22日からの休職を申し込みました。
志願書は日本語なので書きやすいですが、大学のシラバスを和訳する作業にはかなり時間が掛かります。
受講する予定の授業シラバスを全て和訳する必要があります。
なお、複数校受験する場合は、それぞれの大学に対してシラバスの和訳が必要になるので、早めに準備していった方が良いです。
4、必要書類を集めて、大学にアプライする(7~8月)
大学側への書類を揃えるのにも時間が掛かります。多くの大学では推薦状が2通必要になります。
基本的に一つは自分の出身大学の教授に、もう一つは勤務先の校長先生に作成していただくことが多いかと思います。
僕の場合は、校長先生が英語専科の先生ではありませんでしたので、自分で日本語と英語の推薦状を作成して校長先生に見て頂き、サインを頂きました。
推薦状の書き方については、SI UK やbeoなどの留学エージェントから情報を貰えば作成がスムーズです。
他にも大学の卒業証明書等が必要になるので、比較的動きやすい夏休み中に完成させましょう。
5、大学からのオファーを手に入れる(~1月)
イギリスの大学院であればIELTS、アメリカの大学院であればTOEFLを受験し、必要なスコアを手に入れておくことが必要です。
かなり高い基準をクリアしておく必要があるので、試験対策も早めに行った方が良いです。
いくら書類の準備が出来ていても、英語のスコアが足りていなければ留学を実現させることはできません。
しかし、イギリス大学院では多くの場合、英語スコアの後出しをすることが出来ます。
夏過ぎ辺りには大学へアプライをして、基準の英語のスコアが届いていなもくても、その他の入学条件を満たしていれば、条件付きのオファーを貰える場合が多いです。
その場合、1月辺りまでに必要なスコアを取って後から送ればOKです。
僕の場合はIELTSのスコアが思うように伸びず、1月に受けた3回目の受験でギリギリoverall 6.5に届きました。
それがダメなら間に合わないタイミングだったのでかなりハラハラしました…。
是非早めに必要スコアを手に入れておきましょう。
英語のスコア提出まで終われば、大学の入学許可証が発行されます。
6、大学の入学許可証を提出する(~2月)
2月になると、学校側も人事異動に関して慌ただしくなります。
「それで、君は留学するの?来年度いるの?いないの?」と確認されますので、その時には英語のスコア提出後に発行される大学の入学許可証を提出できるようにしましょう。
入学許可証がこのタイミングで手元にないと、休業の許可が下りません。
7、自己啓発等休業制度の正式な許可を受ける(3月)
大学の入学許可証を提出すると、3月頃についに、自己啓発等休業制度の正式な許可が下ります。
これで一通りの休職手続きは終了です!
ここまでかなりの長旅ですが、許可が下りた時のワクワク感と、世界が一気に開けたような感覚は未だに忘れられません!
8、ビザを取って、留学へ!(4月~)
最後に、留学に向けてビザを取らなければなりません。
平日に一日ビザセンターに行かなければいけないことを頭に入れておきましょう。
また、留学に必要な荷物を準備したり、クレジットカードを作ったり、やることはたくさんあります。
しかし、ここまで来てしまえば、きっとワクワクが感情を支配して、そんな苦労は微塵たりとも感じないかと思います。
教員を辞めずに、休職をして留学するメリット
休職を得るために、このようにたくさんの書類提出や手順があるのは大変ですよね…。
もちろん、一度教員を辞めて留学に行くという手段もあります。
しかし、そうすると留学中の後半には、卒論を書き進めながら、卒業後どうするのかを考えなければなりません。
また、9月に帰国後、通常であれば採用の4月まで空白の半年を過ごすことになります。
自己啓発等休業制度を利用して留学に行けば、留学後のことを一切心配することなく、留学中は学業に集中出来ますし、帰国後も10月など、自分で申請した期間から職場に復帰することが可能です。
手続きは面倒ですが、それを差し引いても自己啓発等休業制度を利用して留学する価値は大いにあります。
最後に
教員として働いた経験があり、教育現場の現状や問題点がある程度わかった上で、教員としての身分を保ちながら留学することには大きな意味があります。
MA TESOLであれば世界中から集まる英語教員たちと一緒に、英語教育についての知見を深めることが出来ます。
是非、留学したいという想いをお持ちの先生は、自己啓発等休業制度について検討してみてください。
教員の留学についてこちらの記事にまとめていますので、是非合わせてご覧ください。
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教員が海外大学院へ留学するまでの道のりをQ&Aでまとめました
まだまだ「自己啓発等休業制度」を利用したという事例は少ないでしょうし、ご不明な点等はご質問頂けたら、分かる範囲でお答えしたいと思います。
先生方が理想の留学を実現されますことを願っております。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた!