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オーストラリアの学校を視察して気付いた日本の教育との違い5選

こんにちは、タカヒロです。

 

昨年度私立の専任教諭になり、ホームステイ引率で2度オーストラリアへ行きました。

それぞれ州立学校を2週間訪れ、「日本の学校と違う…!」と感じたことが多くありましたので、こちらの記事にまとめました。

 

日本とオーストラリアのどちらが良い・悪いではなく、オーストラリアの学校との違いから、日本の学校で当たり前になっていることを疑ってみることに価値があると思います。

当たり前を見直すことから、「なくても良いもの」や「時代に合わせてアップデートすべきもの」が見つかったりするからです。

 

この記事の内容

日本とオーストラリアの学校の違い5選

 

 

一緒に日本の教育を少し客観視していきましょう!

 

オーストラリアの学校を視察して気付いた日本の教育との違い5選

 

私がオーストラリアの学校との違いを感じた点は以下の5つです。

 

①:選択性の授業が多い

②:ホームルームがない

③:タイムスケジュールにゆとりがある

④:部活がない

⑤:学習塾がない

 

①:選択性の授業が多い

 

一番決定的に違いを感じたのがカリキュラムについてです。

日本では学習指導要領があり、「みんなが同じ科目を同じペースで学んでいく」ことが基本です。

高校では専門的なコースも増えてきてはいますが、まだまだ「普通科」が主流で、どこか画一的な教育がされています。

 

一方のオーストラリアでは、圧倒的に選択科目が多い印象です。

日本と同様に「English」「Math」「Science」などの必修科目はありますが、学年が上がるにつれて選択科目の割合が多くなっていきます。

私が訪れたBribie Island State High Schoolでは以下のような選択科目がありました。

・Business

・Drama

・Hospitality Practice

・Engineering Skills

・Tourism

・Marine Science

・Japanese 他多数

 

日本の中高では見ない科目ばかりです…!

外国語として唯一日本語が選択科目となっていて、多くの生徒が履修しているようでした。

 

また、必修科目の「Math」にはBasicやAdvancedのコースがあり、優秀であれば学年をまたいで上のコースを選ぶことができます。

画一的な教育より、個性を磨く教育がされていて、生徒が自主的に学んでいる印象でした。

 

授業形式は日本のように「みんな前を向いて黒板を見る」という一斉授業の形式は少なく、グループワークやタブレットを用いた学習が多く行われていました。

 

ジェネラリストより、プロフェッショナルを育てる教育をしているなあと感じました。

 

 

②:ホームルームがない

 

日本のようにホームルームはなく、生徒が授業のたびに移動します。日本の大学に近いイメージです。

ホームルームがないと何が違うかというと、担任業務量が変わります

一応担任の先生はいますが、毎朝出席確認をする程度です。

 

給食指導をすることもなければ、掃除の指導もありません。

いじめがあれば基本的にはスクールカウンセラーが対応しますし、進路に関しては親と相談して決めることであり、夏休みに3者面談することもありません。

しっかりと業務が分担されています。

日本は担任のマンパワーに頼りすぎかもしれません。

 

そもそも、日本で「担任ガチャ」なんていうワードが生まれること自体がおかしいです。

 

 

③:タイムスケジュールにゆとりがある

 

オーストラリアの学校のタイムスケジュールは以下の通りでした。

 

 

大きな違いとしては、第一に日本が基本50分授業であることに対して、オーストラリアは70分授業であることが挙げられます。

2つ目に、オーストラリアには2限と3限の間にモーニングティの時間があります。

実際にはお茶をするというより、持ってきたスナックやフルーツを食べて外で遊んでいるのですが、生徒には授業の区切りの良いリフレッシュになっているように感じました。

 

2週間滞在しましたが、オーストラリアでの一日の方があっという間に感じました…!

 

日本では「やっと6時間目が終わった...。」という感覚が生徒、教員ともにありますが、オーストラリアではそのような感覚がありませんでした。

1日の授業数が4つしかないことが大きな要因かと思います。

日本はやれ英語だ、プログラミングだ、とビルド&ビルドでカリキュラムがキツキツになっているのではないでしょうか。

何かを増やすのであれば、時代に合わせてまず何かを減らすことが必要です。

 

確かにPISAの学力調査ではアジアでトップクラスの結果を残している日本です。

しかし、「取り入れた知識」を自分の力で応用できない、「自分の得意」を将来にどう生かそうか考えられていない生徒が多いです。

各生徒の個性を伸ばすことを考えると、学ぶ科目の種類や総量を増やして毎日がよりキツキツになってしまうよりも、自分の頭で考える力を身に付けさせる日々の空白が必要なのかもしれません。

 

 

④:部活がない

 

オーストラリアでもクラブ活動はあるといえばありますが、日本のように毎日行っている部活はありません。

放課後に習い事に行く子は行きますが、ほとんどの生徒が15時に帰宅します。

夕方以降は自宅で家族と過ごすことがほとんどです。

 

なぜ日本の学生は勉強に部活に追われて常に忙しいのでしょうか。

もちろん部活の良い面もあります。

例えばサッカーであれば、関東の地方の生徒でも

「 地区トレセン → 県トレセン → 関東トレセン → 日本代表 」

 

と実力次第で国の代表選手に上がっていけるシステムがあります。

 

野球であれば、全国どこの学校でも甲子園を目指すことができます。

日本の部活制度がなければ本田圭佑も大谷翔平もうまれていなかったかもしれません。

 

しかし部活の時間と引き換えに、日々の暮らしにゆとりがなくなり、学校の授業が疎かになる生徒が多いのも事実です。

そして部活の指導をすることが、教員の勤務時間は全く守られていない大きな要因の1つとなっている実態があります。

 

オーストラリアでは、会議のある水曜日を除き、15時過ぎにほとんどの教員は帰っていきます。

夕方からは基本的に家族との時間ですから。

 

「学校教育」と「部活」はもう切り離して考えていく時代になっていくのかもしれません。

 

 

⑤:学習塾がない

 

日本では中3や高3の受験生となると多くの生徒が学習塾に通います。

しかし、オーストラリアでは多くの生徒が学習塾に通うということはありません。受験のために知識詰込み型になることがありません。

 

オーストラリアでは日本の高校3年に当たる年(Year12)にATAR(Australian Tertiary Admission Rank)という試験を受けます。

日本の大学共通テストのような試験で、この試験での点数によって大学や専門学校へアプライしていきます。

高校2年生(Year11)から自分の将来を考えてどの教科を受験するのかを決め、勉学に励むようです。

しかし学校の成績も大きく関係するため、学校の授業のみをきちんと受ける生徒が多いようです。

 

結局のところ、学習塾は「入試」と直結しています。

日本の入試制度が「知識を問う問題」よりも、エッセイや自己PRなど、人間性や志を評価する方向に向かうことで、日本の塾のあり方も変わっていくでしょう。

 

未だに「偏差値」で学校や自分をランク付けするシステムには違和感を覚えます。

確かに「たくさんの知識がある優秀な生徒」も重要です。

しかし、偏差値という物差しで縛られず、自分のやりたいことを見つけて、それを実現出来る進路選択が理想的なように思います。

 

より良い教育を考えていこう

 

一度海外に目を向けて日本を客観視することで、新しい気付きが生まれます。

ITの登場により急速に変化する社会の中で、教育の在り方も常にアップデートしていく必要があります。

今あるシステムを変えるには時間も労力も必要ですが、今後を生きる子供たちのために何が必要なのかを考えて日々の教育に携わっていきたいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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ではまた!

 

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