そうした疑問にお応えしていきます!
キャリアアップを図りたい英語教員にとって、MA TESOLは気になる選択肢の一つですよね。
しかし高額な学費は掛かるし、本当に意味があるのか気になる所です。
そこでこの記事では、実際にMA TESOLを修得した筆者が、帰国後にどのような変化を感じたのかをまとめてご紹介していきます。
この記事の内容
MA TESOLを修了して感じた変化5選
筆者が修得したMA TESOLの概要
留学先:University of Brighton MA TESOL
留学期間:2017年9月~2018年9月
コースの規模:コース全体で30~40名、イギリス人3~4割
留学費:約500万
教諭として4年間勤めた後、自己啓発等休業制度を利用して留学
それではどうぞ。
Contents
MA TESOLは意味がない?修得して7年で変化したこと
改めて振り返ってみると、目に言えない部分で様々な変化が起きたなあと感じています。
具体的には、主に以下の5点です。
①:活動の中に理論を考えるようになった
②:答えのない問題に向き合えるようになった
③:Critical thinking が身に付いた
④:先を見据える力がついた
⑤:大学講師の道へチャレンジすることができた
順番にご紹介していきます。
① 活動の中に理論を考えるようになった
一番大きい変化は、活動の中に理論を考えるようになったことです。
留学前の授業では、とにかく「英語を楽しく教える」ということに必死でした。
様々なアクティビティを取り入れながら、生徒が飽きないように工夫していましたが、行っている活動にどのような効果があるのか、あまり深くは考えていませんでした。
おそらく「楽しいだけ」の活動も多くあったのではないかと思います。
留学後は、「実践研究でこういった活動の効果が証明されているから、これを実態に合うように授業に落とし込んでみよう。」といった具合に、実践と理論を結び付けながら考えるようになりました。
具体的には、現在はリテリング活動に力を入れています。
最終的に生徒がアウトプットできるようになるためには、インプットとアウトプットの橋渡しとなるインテイクの部分に注力する必要があるからです。
リテリング活動はインプットした教材を元に内容を再生するため、インテイクの活動となります。
リテリングして終了ではなく、リテリングで産出できた表現をいかに自在にアウトプットできる表現に昇華させていくかが今の課題です。
専門性を高めることは仕事全体での好循環を生んでいきます。
こうしたスパイラルに入ることができれば最高ですよね!
② 答えのない問題に向き合えるようになった
留学した1年間は、間違いなく人生で1番勉強した期間でした。
大学入試時も、教員採用試験時もかなり勉強してきましたが、それ以上でした。
そして勉強の質がこれまでとは全く違いました。
これまでは「答えのある問題に対して、いかに満点近くを取るか」という勉強しかしてきていませんでした。
知識を身に付けて、紙面上でパフォーマンスすることに躍起になっていました。
しかしMA TESOLのコースでは、自分の頭で考えること、自分の経験と知識を結び付けることが求められました。
常に自分の意見を持つことが大切であり、結果的に、答えのない問題に向き合えるようになりました。
また、MA TESOLには各国からの先生方が参加します。
授業でディスカッションを重ねていくうちに、日本の英語教育を客観的に考えられるようになりました。
仕事でも生活上でも、「やってみないと分からないこと」の連続です。
そうした時に、「分からないからやらない」という判断をするのと、「とりあえずやってみようとする」という判断をするのでは全く違ってきます。
そもそも答えのない問題は世の中にたくさんあるので、「分からない」から逃げないことが大切だと感じています。
③ Critical thinking が身に付いた
論文を作成する上では、現状の課題点を分析することから始まり、課題を洗い出した上に主張や仮説を立て、サポート文献を集めながら論理展開していくことが求められます。
また、予め考えられる批判的な意見にも目を通して、それらに対する考えを述べることも必要となります。
そうした論文を書き続けた経験から、批判的に物事を捉える視点を取り入れることができるようになりました。
また、これは個人の性格的な問題ですが、留学前よりも知らないことを素直に認められるようになりました。
留学前は、相当勉強を重ねた上で大学院進学を実現したということで、傲慢になっていた部分がありました。
しかしいざ留学に行ってみると、自分は知らないことだらけだということを痛感しました。
英語力にしても、日本についての知識にしても、考え方の幅にしても、何もかも足りていないこと気付かされました。
知らないことがいけないというわけではなく、世界は広く、学ぶべきことは際限なくあるのに、自分は知っている風になって傲慢になったり、自分の弱さを隠すことは違うなと感じました。
④ 先を見据える力がついた
イギリスの大学院は1年間で修士課程を修得することができます。
しかしその分、いくつもの論文作成を同時進行していかなければいけません。
時間に追われている中で、先を見据えながら計画を立てていくことが求められました。
詳しくはこちらの記事で述べている通りです。
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【イギリス大学院】修士論文を提出するまでのスケジュール
続きを見る
留学前までは「今」しか見ていなく、もしくは忙しいがゆえに「今」しか見えていないという状況がありました。
留学後の今は、「忙しさ」と「先を見据える」ことは区別して考える免疫が付いたように思います。
⑤ 大学講師の道へチャレンジすることができた
5つ目は、中高の教員以外にチャレンジすることができた点です。
具体的には大学講師の道にチャレンジすることができました。
英語関連の大学講師には修士卒業以上が基本的に求められるので、そうした道への第一歩が踏めたことには非常に価値を感じています。
働き先の選択肢をいくら増やしていっても損することはありません。
今は不確実性の高い時代です。「入社したら退職金をもらうまで会社に尽くす」という価値観から変化しています。
その分、「自分軸で生きること」が求められます。
自分は何を成し遂げたいのか、どんな5年後、10年後にしていきたいのかを常に考えながら行動していく必要があります。
長い人生の中で、少しくらい会社を休んで、自分の知見を広げる期間を取ったり、ステップアップするために必要な経験を積んだりすることは大いにアリだと思います。
そのように自分主体で動いていくことが、今後の社会でやりがいを持って暮らしていくことに繋がるのだと思います。
【番外編】好きなように旅をする
最後に、TESOLは関係ない番外編として、好きなように旅することができて人生経験が豊富になったと感じています。
僕はせっかくイギリスへ留学に行くのだから、チャンスがあればガンガンヨーロッパ中を廻ろうと決めていました。
具体的には以下のようなことをしてきました。
・イタリアで本場のカルボナーラを食べる
・ノルウェーの北極圏でオーロラを見る
・クロアチアでアドリア海に飛び込む
・ポーランドでアウシュビッツ強制収容所を訪れる
・アイスランドのブルーラグーン(温泉)でビールを飲む
こうしたことが一年ですべてできたことは、イギリスへ留学したからこそです。
一度は訪れたかった場所にここぞとばかりに訪れて、自分の眼で見てきたこと、肌で感じてきたことは今振り返っても、このタイミングで行ってきてよかった…!と感じています。
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イギリス留学中に訪れたいヨーロッパの旅行先ベスト5
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MA TESOL留学して後悔したことは一つもない
振り返ってみると、マインドの変化がほとんどですね。
確かに留学には500万以上かかり、留学を実現するまでにかなりの壁がありました。
しかし、留学していなければこうしたマインドの変化を得られていなかったかと思うと、改めて本当に留学して良かったと感じています。
MA TESOL留学をして後悔したことは何一つありません。
留学しようか悩んでいる方へ、何か一つでも参考になれば幸いです。
なお、留学へ行くタイミングは、教員として数年働いた後がおすすめです。詳しくはこちらの記事で解説しています。
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教員が留学(MA TESOL)に行くなら数年働いてからが良い理由
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こちらの記事では教員が留学を実現するまでに必要なことをまとめていますので、是非合わせてご覧ください。
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教員が海外大学院へ留学するまでの道のりをQ&Aでまとめました
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最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた!