こんにちは、タカヒロです。
そうした疑問にお応えします。
学校で子どもと接していれば必ず叱らなければならない場面はあります。
身近な大人が「叱る」ことで、子どもは「自分はいけないことをしているのか」と気が付くことも多いです。
そこで気になるのは、どのように叱ったら良いのかということです。
今回はそんな生徒から信頼される先生が実践している【上手な子供の叱り方】をまとめていきたいと思います。
特に若手の先生方に何かのヒントになれば幸いです!
Contents
信頼される先生が実践している 上手な子供の叱り方
1 「叱る」と「怒る」を区別する
まず、「叱る」とは何かを考えてみましょう。
叱り方が上手な先生は、「叱る」と「怒る」をしっかり区別しています。
端的に言うと、
・先生が「自分のため」にしているのが「怒る」
・先生が「子供のために」しているのが「叱る」
と区別することが出来ます。
感情的になって怒鳴るように指導をする場面もあるかもしれませんが、ポイントはその怒鳴るという行為が、先生が先生としてのポジションを確保するために行ってしまっていないかどうか、ということです。
先生が先生としての威厳を保つために、生徒からマウントを取るために怒鳴ってしまっているのであれば、それは「怒り」であって、「叱り」とは言えません。
あくまで、「子供のため」という意識を一番に持って行うことが「叱る」という行為です。
感情的に「叱る」時の基準を事前に知らせておく
とはいっても、時には感情的に叱ることも必要かもしれません。
これは当時の学年主任から聞いて今でも実践していることなのですが、私は4月の学級開きの際に「感情的になって叱る基準」を生徒に伝えるようにしています。
具体的には
・命に関わる恐れがある時
・人を傷つける可能性がある時
・やるべきことを全くやらない時
です。
ガラスの周りで走り回っている、窓が開いている可能性もあるのにロッカーに座っているなど命に関わる恐れがある時、
人の悪口を言っていたり、差別的な言葉を使ったりなど、人を傷つける可能性がある時、
そして掃除をサボったり、係の仕事を他人任せにしたりなど、やるべきことを全くやらない時には怒鳴るかもしれないぞ、と公言しておきます。
そうしておけば、怒鳴った際にもその基準が生徒に伝わっているため、怒鳴るのは「先生のため」ではなく「生徒のため」だということが伝わります。
他の生徒・先生から聞いた場合は、感情的にならずに叱る
もう一つ、感情的に叱ることに関して注意しておくことがあります。
それは、他の生徒や先生から聞いた情報を元に指導する場合は、感情的にならずに叱るということです。
部活で面倒を見ている生徒がクラスで何かをやらかしてしまった時などには、そのまま部活に参加させることはせず、ついつい熱い指導をしてしまいがちです。
しかし、実際に自分の目の前で起きた事例でない場合は、まず生徒からしっかり話を聞くことが大切です。
もうすでに別の先生が指導済みで、生徒もよく反省している場合があります。
そこでぶり返すように部活動顧問が感情的に叱ってしまったら、その指導が逆効果になってしまう可能性もあります。
生徒からやってしまったことの報告と反省の弁を聞いて、生徒が反省しているかどうかを見極めてから「冷静に注意するように叱る」ことを心がけたいです。
2 何がいけなかったのか、その「行動」を叱る
叱り方が上手な先生は、何がいけなかったのか、その「行動」をピンポイントで叱ります。
そしてどうしてそんな行動を取ってしまったのかを考えさせます。
人格否定のような発言は絶対にしない
その際、人格を否定するようなことは決して言いません。
「だからお前は○○なんだよ!」と言うような性格自体を否定してしまうようなことは言ってはいけません。
起こしてしまった「行動」に問題があるからです。
生徒が自分の「行動」について振り返って改めていくことが「叱る」ことの目的であって、何よりも重要です。
3 短時間で「ピシッ!」と叱る
叱り方が上手な先生は、短時間で「ピシッ」と叱ります。
生徒指導主事の先生は「叱りが長時間になると、“叱られている”ということが生徒の中でメインになってしまって、何がいけなかったのかを考える意識が薄れてしまう」と教えてくれました。
「ビシッ!」ではなく「ピシッ!」というところもポイントです。
やはり感情的に伝えるよりも、理路整然といけなかったポイントをピシッと伝えることで、生徒は自分の行動の問題が明確になって行動を振り返りやすくなります。
例えば、A君が掃除をサボって掃除場所に来なかった場合。
「B君。A君がいないから、ちょっと呼んできて。」
B君がA君を連れてきたら、
「他の人に迷惑が掛かるから、時間になったらすぐに掃除の担当場所に行くこと。分かりましたか?」
これで「はい」と返事が返ってきたらそれで終了。一緒に掃除を続ければ、他の生徒がA君の分も掃除していたことはA君に伝わります。
「掃除に遅れてきた」という行為だけをピシッと叱ればいいのです。
その生徒の他の日常生活での行動で気になることがあっても、その場では話に出さないでポイントを絞ることが大切だと思います。
1回目の忘れ物は叱らない
少し脱線しますが、信頼される先生は1回目の忘れ物ではもはや叱りません。
「そうか、ちゃんと報告に来て偉いな、これを使いなさい」と言って予備の教科書を貸して終わりです。
授業が終わると、「先生、ありがとうございました、今後気を付けます。」と生徒は言います。
この方が生徒の中に自然と「次は忘れ物をしないようにしなきゃ」という意識が育ち、「叱られるのが嫌だから忘れ物をしないようにする」というようなマイナスな思考を持たせなくて済みます。
結果的に「子供のため」になっているのだと思います。
繰り返し忘れきた時には、「これ、二回目だよね?」と真剣な表情で伝えれば、十分反省を促すことができます。
4 叱った後の生徒の変化に注目する
叱り方が上手な先生は、叱った後の生徒の変化を見逃しません。
生徒の「行動」が改まったら、すかさずサッとフォローの声を掛けています。
そもそも「できないこと」が沢山あって当然です。先生や周りの大人に注意をされて、教えてもらって成長していくものです。
叱られても、それで成長していけばOKです。
成長を認める声掛けをすると、生徒はとても晴れやかな表情を見せます。
そのように生徒の変化に気付いていける先生が、結果的に信頼される先生になっていくのでしょう。
まとめ
まとめると、上手な叱り方とは、
・「怒る」と「叱る」を区別する
・いけなかった「行動」を叱る
・短時間でピシッと叱る
・叱った後の変化を見逃さない
ということが大切であるように思います。
「叱る」という技能も教員にとっては欠かせない力です。
生徒に「何を叱っているのか」を正しく理解させて、生徒達をより良い方向へ導いていける先生を目指していきたいですね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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