こんにちは、タカヒロです。
こんなお悩みに答えます!
イギリス大学院でのエッセイは日本の試験とは全く異なるため、しっかりと準備して取り組んでいく必要があります。
ではどんなことに気を付けて取り組んでいけば良いのでしょうか?
この記事では、イギリス大学院でエッセイを作成する上での注意点をお伝えします!
筆者の経験
2018年にUniversity of BrightonのMA TESOLへ進学しました。一年を通して3000-4000字エッセイを7つ書きました。
何とか全てパスすることが出来ましたが、エッセイの書き方自体が日本の大学とは大きく違い、だいぶ困惑しました…。
全7科目、ショートエッセイ(500words程度)数本、プレゼンテーション、そしてファイナルエッセイ(3000-4000words)で評価されました。
大きな割合を占めるのがやはりファイナルエッセイで、ここで評価を得ないと、どんなに授業中に積極的に取り組んでも単位の取得は出来ません。
エッセイを書く上での注意点を抑えて、単位習得を確実にしていきましょう!
それではどうぞ。
Contents
【イギリス大学院】エッセイの書き方 作成上の注意点を紹介
エッセイの書き方で注意したい点が大きく分けて2つあります。
①エッセイのフレームワークを理解する。
②事前リーディング、各セミナーでのディスカッションがエッセイのクオリティを決める。
という2点です。
順番に説明していきます!
① エッセイのフレームワークを理解する。
基本的には[ Introduction, Main Bodies, Discussion, Conclusion, references ]と抑えるべき内容は決まっています。
どのチャプターに何をどの順番で書いていくのが一番読み手に伝わるかを考え、簡潔な文章で書いていくことが求められます。
回りくどい書き方ではなく、各パラグラフのtopic sentenceを明確にして、ズバッズバッと述べていくことが大切です。
各チャプターで書くべき内容は以下の通りです。
※文系科目の場合です。研究分野によって書くべき内容は異なってきます。
【Introduction】
・取り上げたテーマの背景
・そのテーマを取り上げる意義
・リサーチクエスチョンの提示
・エッセイ構成の紹介
【Main Bodies】
・リサーチクエスチョンに対応する文献のまとめ
【Discussion】
・Main Bodiesを踏まえて、考えられることのまとめ
・リミテーション
【Conclusion】
・リサーチクエスチョンに対する答えを簡潔にまとめる
【References】
・使った文献をまとめる
まずは、このフレームワークを元に、アウトラインを作りましょう。
例えば、
(日本の中学校ではロボットを用いた学習では生徒のコミュニケーション能力を向上させられるのか?)
というテーマで書いたエッセイのアウトラインは以下のようになります。
【Introduction】
1-1 取り上げたテーマの背景
⇒ 第二言語習得の現場で、ロボットを用いた授業実践が増えてきている。
1-2 そのテーマを取り上げる意義
⇒ しかし、ロボットを用いて会話することが「コミュニケーション能力」の向上に結び付くのかは懐疑的である。
1-3 リサーチクエスチョンの提示
⇒ 日本の中学校ではロボットを用いた学習では生徒のコミュニケーション能力を向上させられるのだろうか?
1-4 エッセイ構成の紹介
【Main Bodies】
2-1 コミュニケーション能力とは何か
2ー2 現状でのロボットを用いた教育実践
3-1 ロボットを用いた教育実践で生徒の「話す力」が伸びた研究例のまとめ
3-2 ロボットを用いた教育実践で生徒の「コミュニケーション能力」が伸びた研究例のまとめ
3-3 ロボットを用いた教育実践で生徒の「コミュニケーション能力」は伸びなかった研究例のまとめ
【Discussion】
4-1 ロボットとの会話で意味のあるやりとりができるのか?
4-2 教員が授業の中でロボットを使いこなすことができるのか?
【Conclusion】
5 リサーチクエスチョンに対する答えを簡潔にまとめる
⇒ロボットを活用することで「話す機会」の充実を図ることは出来るが、現時点では「コミュニケーション能力」を高めることに繋がるとは言えない。
⇒「ロボットー人」の対話と「人-人」の対話の違いを考慮して教育に活かすべきである。
【References】
こんな感じで、アウトラインがしっかりと作れれば、エッセイの半分が終わったようなものです。
リサーチクエスチョンがブレない限り「書ける所から書いていきながら、アウトラインも修正していく」というやり方で問題ないかと思います。
また、Referencesも非常に重要で、何を読んでどこから情報を持ってきたのか、明確に示す必要があります。
Brighton大学を含め、多くの大学では「turnitin」というのコピペ・盗作チェックソフトを通して提出になります。
過去の論文から正しい形でない引用やパラフレーズなしにそのまま文章を載せると、plagiarism(盗作)として、いとも簡単に引っ掛かります。
文献の引用の仕方、パラフレーズの仕方はエッセイを書き始めるよりももっともっと前に練習しておいた方が良いです。
英語が母国語のイギリス人でさえ落としている人はいました。
英語のレベルももちろん重要ですが、その前に、エッセイをどう書いていくかを勉強していく必要があります。
② 事前リーディング、各セミナーでのディスカッションがエッセイのクオリティを決める。
Introduction, MainBodiesでは
・自分が設定したテーマ、問題意識に対して、どれだけ現状分析が出来ているのか
・どれだけテーマに関わる知識を習得しているか
が明らかになります。
そこで何より大切なのは事前リーディングです。
エッセイを書き出す前にひたすら論文や本を読み漁り、アイデアの視野を広げておく必要があります。
私はリーディングの際には、「読んだ文献の内容を5点にまとめて書く」ということをやっていました。
Writingすることを前提で読み、できればクラスメイトとシェア出来れば、論文でも使える知識になっていくと思います。
また、直接は評価されませんが、日々のセミナーでのディスカッションも重要です。
一人では考え付かないこと、自分では見えていない部分は必ずあります。
人の意見を聞いたり、自分の意見に対するフィードバックを貰ったりして、アイデアを膨らましていくことがエッセイの濃さになっていきます。
最後に
イギリスのエッセイでは、これといった「正解」がありません。
筆者が何を発見したのか、筆者はどれだけ知識を付けて、どう考えているのか、ということを聞かれているようで、たとえ同じ論文のタイトルだとしても、内容は筆者次第で変わります。
自分の考えを、サポート文献と共に論理的に述べられていれば、「みんな違ってみんな良いです」。
僕は日本での「知識を詰め込み、そのままテストに生かす」ような、答えが一つになりがちのテストに慣れていたため、大きなギャップを感じ苦労しました。
しかしエッセイを終えてみると、やはりイギリスでのエッセイの方が、「勉強して身についた感覚」は非常に大きく感じました。
たとえ「何を学んだか」を忘れてしまっても、「どう学んだか」は案外覚えていることだと思います。
生涯教育の糧になっていく部分ですよね。
これからエッセイの制作に尽力される方へ何か参考になれば幸いです。
ではまた!