一度は見てみたい世界遺産サグラダファミリア。
僕は初めて訪れた際、外部の荘厳さはもとより、内部の美しさに心を奪われました。
唯一無二のその教会にため息が出るばかりでした。
世界的建築家ガウディの意思を受け継ぎつつ、今なお建設が続けられているサグラダファミリアですが、なんとその建設には一人の日本人が深く関わっています。
その方の名は、「外尾悦郎」さん。
日本人であれば、彼がどんな方なのか、どのように建設に携わっているのかを知った上で、実際にサグラダファミリアを観に行きたいですね!
この記事では、サグラダファミリアの建設に携わっている外尾悦郎さんについてご紹介します。
この記事の内容
・サグラダファミリアについて
・外尾悦郎さんについて
この記事を読めば、サグラダファミリア見学を日本人としてさらに楽しめるかと思います!
Contents
サグラダファミリアの建設に深く関わっている一人の日本人とは!?
サグラダファミリアとは?
まず簡単にサグラダファミリアについてまとめます。
サグラダファミリア建設の経過
サグラダファミリアは、スペイン、バルセロナに位置するカトリック教会です。
建築家アントニオ・ガウディによって設計されました。
今では世界的に知られているガウディですが、サグラダファミリアを主任建築家として引き継いだ際には、ガウディはまだ31歳でほぼ無名でした。
それでもガウディは、それまでの計画から抜本的に設計を変えていきました。
自分の信念に基づいて設計を続けていったのです。
しかしながら、その志半ば、ガウディは交通事故により76歳の時に亡くなってしまいます。
その後、ガウディの弟子たちによって建設が続けられるのですが、設計図や模型はスペイン内戦の際に焼かれ破壊されてしまいました。
それでも弟子たちはガウディが完成させたかった姿をイメージしつつ、今なお建設を続けています。
教会への寄付金と入場料のみが資金であるため、当初は完成までに少なくとも300年を要すると言われてきましたが、サグラダファミリアが有名になるにつれて寄付金や入場料が増え、さらに建設技術の向上により、建設のペースは早まっています。
現時点では、完成はちょうどガウディの死後100年に当たる2026年頃になるのではないかと言われてます。(コロナの影響で伸びるようではありますが…)
圧巻の教会内部
美しすぎてため息が出ますね、、、。
サグラダファミリアの内部は、枝が分かれた木が生い茂る森のように見えます。
ガウディは幼少期から体が弱かったため、友達と走り回る代わりに植物や昆虫に接して成長していきました。
ガウディは自然の中に幸福を感じて育っていきました。
そうした自然に囲まれて過ごした幸福感を、サグラダファミリアの中に体現しようとしたのです。
また教会の四面にあるステンドグラスは、日の光をどのように受け入れるかを緻密に計算されたうえで配置されており、幻想的な空間を作り上げています。
ガウディはこの世で一番美しい形は自然の中に見出せるのだという信念を持っていました。
ガウディはこの教会を訪れる人々に、我々は美しい自然に囲まれているのだという幸福感を感じてほしかったのでしょう。
建設に携わっている日本人彫刻家
そんなサグラダファミリアの見どころの一つに「生誕のファサード」があります。
サグラダファミリアを訪れる方なら誰もが息をのんで見上げる有名な門です。
サグラダファミリアの正面には、イエスの生涯を表現した「生誕の門」「受難の門」「栄光の門」の3つのファサードがあります。
なんとその「生誕のファサード」にある15体の天使の彫刻を担当したのが、日本人彫刻家の外尾悦郎さんなのです!
今なお活躍されている外尾さん。その人生が凄まじいので紹介させていただきます。
サグラダファミリアの建設に関わっている日本人、外尾悦郎さん
外尾さんの経歴
1953年、福岡県生まれの外尾さん。
京都市立芸術大学を卒業後、美術の非常勤講師として働いていました。
しかし、25歳を迎えたころ、「石を掘りたい」そんな衝動に駆られて日本を飛び出しました。
最初に訪れたパリでは満足できず、次の目的地を探してたまたまバルセロナ行きの列車に乗り込んだそうです。
そうしてサグラダファミリアと出会いました。
当時のサグラダファミリアはまだ観光地としてそれほど有名ではありませんでしたが、サグラダファミリアを見て、ここで石を掘りたいと決意した外尾さんは、当時の建設責任者に何度もお願いをして、ようやく彫刻師として雇ってもらうことができました。
それから40年以上、今なおサグラダファミリアの建設に尽力されており、今では主任彫刻家として活躍されています。
25歳で衝動に駆られて動き出す行動力が凄い…!
外尾さんの何がすごいかというと、25歳でそれだけの衝動に駆られて、海外へ飛び出してしまう行動力が凄いですよね。
きっとその時はスペイン語が出来たわけではなかったのでしょうし、今と比べて海外へ飛び立つハードルは高かったのではないかと思います。
それでも自分の直感に従って動き出した。
そして何度もお願いをすることによって、ようやく試験を受けて彫刻家として受け入れてもらうことが出来た。
その結果、生涯につながる「やりがい」をつくり出していくことが出来たわけです。
「夢を叶える人」は確かな答えなんて分からないまま動い出す人で、
「夢を叶えられない人」は、正解を探して足踏みしてタイミングを逃す人
なのでしょう。
「留学に行きたいけど、英語が出来ないからまだ行かない」という人は、多分ずっと行かないのと同じですよね。
こうした外尾さんの行動力から「攻めの姿勢」を学ぶことが出来ます。
また外尾さんは
「若いころから、石を掘りたいと思い続けてきました。石を掘ることを通じて、私は自分自身を探し続けてきたのだと思います。今や、石を掘ることが今の自分を作ったのだと言えます。」
というように語っています。
自分のやりたいことを続けることによって、自分自身も成長していけるし、未来の自分を築いていける
そんな熱いメッセージを受け取ることができます。
まとめ:信念を持って続けることが偉大な功績に繋がる
ガウディが「自分を幸福にしてくれた自然」を建築に取り入れ続けたこと
外尾さんがそうしたガウディの意思を受け継ぎつつ、石を掘り続けていること
そこには「理想・理念をどこまでも追い求めていく生き方」が共通して感じられます。
この二人のように、何か物事に信念を持って取り組み続けることで、人は偉大になっていくのでしょう。
今では世界的に有名な建築物として知られるサグラダファミリアですが、そこまで有名でなかったころから、日本人が建設に深く関わっていたことは驚きであると同時に、同じ日本人としてなんだか誇らしい気持ちになります。
そうした事実を知った上でサグラダファミリアを訪れたら、より一層の刺激を受け取れること間違いありません!
是非、実際にサグラダファミリアに足を運んで、ガウディが体現しようとした自然、日本人彫刻家の外尾さんが完成させた「生誕のファサード」をじっくりと見学してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!