こんな方におすすめ
- 単語帳を暗記することに必死になって、アウトプットに繋げられていない
- アウトプットはしているけれども、アウトプット出来る幅が広がらない
- 効果的にアウトプットする練習方法が知りたい
インプットはしているのに、アウトプットができるようにならない…と悩んでいませんか?
実は、インプットした英語がアウトプット出来るようになるには、4つのステップを踏む必要があります。
僕もアウトプットできる幅が広がらず悩んでいましたが、この記事で紹介する方法を継続したことで、結果的に英検1級を取得するまでに成長することができました。
この記事では「インプットしてからアウトプット出来るまでのプロセス」「効果的なアウトプットの学習方法」について解説していきます。
この記事の内容
・インプットしてからアウトプット出来るまでのプロセス
・効果的なアウトプットの学習方法2選
筆者の経歴
・中高教員10年目
・イギリス大学院でMA TESOL(英語教授法 修士)修得
・独学で英検1級(writing 827 / 850点、speaking 39 / 40点)
それではどうぞ!
Contents
英語をインプットしてからアウトプット出来るまでのプロセス
まずは、インプットしてからアウトプットするまでに、どういったプロセスを踏んでいくのかを見ていきましょう。
インプットしてからアウトプット出来るまでのプロセスは、以下の4つの段階に分かれるとされています。
インプット
↓
① 気づき(noticing)
② 理解(comprehension)
③ 内在化(intake)
④ 統合(integration)
↓
アウトプット
順番に見ていきましょう。
① 気づき(noticing)
普段の日常生活の中でも、膨大な量の情報(インプット)に囲まれていますが、その全てに気づいているわけではありません。
例えば、電車に何となく乗っていても、社内に何の広告があったかはすべて覚えていませんよね。
目や耳から入ってくる情報に気が付いて初めて、認知のプロセスが始まります。
「○○って、英語でなんて言うんだろう・・・?」
そうした疑問を抱くことが始まりです。
知覚された情報は「短期記憶」に保持されます。
② 理解(comprehension)
短期記憶に保持された情報は、「理解」へと進んでいきます。
理解のステージは「浅いレベルの理解」「深いレベルの理解」の2つに分かれます。
浅いレベルの理解とは、情報の意味だけを理解している段階を指し、
深いレベルの理解とは、気づいた言語情報が、どのような形式でどのような機能を果たすのかを理解している段階を指します。
例えば、
「○○って、英語でなんて言うんだろう・・・?」と気づいて意味を調べて、
「ああ、こんな意味なのか!」となったときが浅いレベルの理解です。
さらにそこから、
「この単語、他にどんな使われ方するんだろう?」と調べを進めた段階が、深いレベルの理解です。
語学が苦手な人の多くは、浅いレベルの理解で留まってしまう場合が多い傾向にあります。
③ 内在化(intake)
次に、気づき、理解したインプットを学習者の内部へと取り込む段階へと移ります。
このステージは「内在化」と呼ばれ、すでに自分の知識として持っている情報と新しい情報(インプット)を比べます。
理解した単語を実際に使ってみて、「これで使い方は合ってるのか?」ということを仮説検証していきます。
覚えた単語を試しにネイティブとの会話に使ってみて通じるかどうかを確かめるのも、この段階です。
④ 統合(integration)
最後に、取り込んだ情報を「長期記憶」に保持する「統合」へ進んでいきます。
このステージでは、内在化で仮説検証していった知識を再構築して、処理の自動化が図られます。
例えば、
「あ、ネイティブ相手に通じた!」
といった内在化での仮説検証を繰り返し使っていくことで、自分なりのアレンジが効く表現になっていくわけですね!
そうして晴れて、インプットしたものが自動的にアウトプット出来るようになっていきます。
ここまでをまとめると、インプットしたものがアウトプット出来るようになるには、4段階のプロセスがあります。
インプット
↓
① 気づき(noticing)
② 理解(comprehension)
③ 内在化(intake)
④ 統合(integration)
↓
アウトプット
このプロセスは、第二言語を習得する上での原理原則です。
全てのインプットした知識がこのプロセスを経て、アウトプット出来るようになっていくわけです。
アウトプットする力が伸びない場合は、
・単語学習ばかりに時間を使っている(「理解」→「内在化」に進んでいない)
・英会話でアウトプットのみを繰り返している (そもそもの「気づき」が少ない)
といったようにプロセスのどこかの段階で止まっていないか、自身の学習を振り返ってみましょう。
留学でアウトプットする力が伸びやすい理由
また、なぜ留学に行って現地の環境に浸ると語学が伸びやすいのかを考えてみると、
インプット→アウトプットのプロセスを嫌でも繰り返さざるを得ない環境に身を置けるからと言えるかもしれません。
留学先では、
のループを作りやすくなります。
効果的なアウトプットの学習方法2選
こうした理論に基づけば、日本国内であっても質の高いアウトプットの練習をしていくことは可能です。
要するに、4つのプロセスを踏む学習をしていけば良いわけですね。
僕が実際に取り組んでいて効果があったおすすめの学習方法を二つ紹介します。
① 英語日記
一つ目のおすすめ学習方法は、「英語日記を書くこと」です。
英語日記を書くという作業は、実は留学と同様に、
「この単語、英語でなんて言うのか分からない…。」 (気づき)
↓
分からない単語を調べる。(理解)
↓
試しに日記の中で使ってみる。 (内在化)
↓
繰り返し使ってみることで、自分の表現になっていく。 (統合)
といったように、インプット→アウトプットのプロセスを綺麗に経ていきます。
認知の面から見ても、非常に効果的な学習方法だと言えますね。
英語日記では自分の興味関心のあることについてアウトプットに繋げられる点も大きなメリットです。
あまり小難しいことは考えず「毎日2、3文、その日の出来事を感情とともに英語にしてみる」といったことからスタートしてみましょう。
英語日記の取り組み方に関しては、こちらの本がとても勉強になります。
こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
続きを見る
【英語を独学する人必読!】英語日記BOYを読んだ感想
② TEDトークのシャドーイング
二つ目のおすすめ学習方法は、「TEDトークのシャドーイング」です。
こちらも多くの英語学習のエキスパートが効果的だと語っている方法であり、やはり学習効果は高いように思います。
具体的には
1、TEDトークを通して見て、使えそうなフレーズ、印象に残ったフレーズを含むパラグラフを書き出す。(気づき)
2、パラグラフ内で知らない単語、フレーズの意味を調べて確認する。(理解)
3、パラグラフをほぼ暗記する勢いで、音読を繰り返す。(内在化)
(イントネーションなどが分からなかったら動画を見て、シャドーイングを挟む)
4、動画の音声を消し、スピーカーになり切ってスピーチする。(統合)
といった方法がおすすめです。
こちらも綺麗に4つのプロセスを踏んでいます。
より詳しくはこちら記事でも紹介しています。
続きを見る
【初心者向け】英語のリスニングが上達しない原因とおすすめ勉強法3選
理論を意識して、効率的にインプットをアウトプットに繋げていこう
インプットだけしても英語は使えるようにはなりませんし、アウトプットに偏り過ぎても、英語で表現が出来る幅は広がっていきません。
大切なことは、
・インプットしたことがアウトプット出来るようになるには、4つのステップがあるということを意識すること
・その4つのステップをしっかり踏んでいく学習に時間をかけること
です。
そのプロセスさえしっかりと理解していれば、具体的な学習方法は個人の好みに合わせていくらでもアレンジしていくことができます。
ぜひ、こうした理論を意識しながら、効率的に英語の学習を行っていきましょう!
今回はこちらの本を参考にしました。
こういった本は研究者・教員向けに書かれたものが多いのですが、こちらの本は「学習者」向けに書かれたものなので、英語学習に興味のある全ての人におすすめですよ。
この記事が英語学習を頑張る方への何かの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた!