こんにちは、タカヒロです。
こんなお悩みに答えます。
この記事で分かること
教諭と非常勤講師の働き方の違いが分かる
筆者の経歴
・公立中学校6年間(教諭)
・休職してイギリス大学院でMA TESOL(英語科教授法 修士)を修得
・公立高校2年間(教諭)
・現在、私立高校1年目(非常勤講師)
教諭の時と比べると、様々な変化が起こっています。
そこで、実際に非常勤講師になってみて感じたことを少しまとめてみたいと思います。
僕は自分のやりたい道へと突っ走るために、2021年3月末で公立教員を退職しました。
詳しくはこちらの記事に書いた通りです。
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突然訪れた分岐点 30歳の僕が公立教員を退職した理由
続きを見る
それではどうぞ!
Contents
正規教員から非常勤講師になって感じたこと
非常勤講師のメリット:非常勤講師になって得たもの
まずは得たものから見ていきます。
非常勤講師になって得たものは
・自分のやりたいことに使える圧倒的な時間
・自由に働く感覚
・チャレンジ精神
・ワクワク感
です。
順番に見ていきます。
自分のやりたいことに使える圧倒的な時間
何と言っても、自由に使える時間が圧倒的に増えました。
特に中学校勤務の時は、「毎日帰りは22時近くで、土日は部活」といった生活を送っていました。
自分なりに効率よく一生懸命働いていましたが、業務の数が多く、日々をこなしていくことで精一杯でした。
非常勤講師の今は、担当授業の前後だけ学校にいます。
午前中だけの日もあれば、午後だけの日もあります。
授業の担当者として雇われているわけですから、極端に言えば授業をしさえすればOKな環境です。
担任業務、学年業務、校務分掌、各種会議、行事、部活等に、一切関与していません。
結果的に、自由に使える時間は圧倒的に増えました。
例えばGWに関しては、これまでは部活の大会で終わっていました。
生徒の大きな活躍の場なのでやりがいはありましたが、自分の時間を削っていました。
非常勤講師の今年は、GWの予定はまっさらです。
すべて自分の時間として使えます。
自由に働く感覚
非常勤講師になって、「定時」という感覚が消滅しました。
これまでは「17時が定時、それ以降はサービス残業」といった組織に縛られている感覚がありましたが、
今は一切ありません。
授業の時間は決まっていますが、それ以外は自由です。
朝一からカフェでブログを書き、時間になったら学校へ行く、という生活が出来ます。
また組織で働く以上、人間関係に悩むこともありました。
やはりどこにでも苦手なタイプの人はいるものです。
しかし組織として同じ学年、チームとなったら、協力する場面はたくさんあります。
仕事上、その人間関係を自由には選べません。
非常勤講師となってみて、人間関係のストレスがグッと減りました。
自分では誰とでも隔てなく接することができるスーパーポジティブ人間のつもりだったのですが、
組織の中での人間関係にかなりストレスを抱えていたことに気が付きました。
今は本当に人間関係でのストレスはフリーです。
チャレンジ精神
公立教諭では原則副業は禁止です。
この時代になんなんだ…とは思いますが、公務員なので仕方ないです。
給料も年功序列です。
下手をしたらおばちゃん先生の2倍近くの業務をこなしていても、
給料はそのおばちゃん先生の半分以下だったりします。
そのような中で、チャレンジ精神を保つことは難しいです。
今は自分次第でどうにでも出来るようになりました。
もちろん収入を増やしていくことは簡単ではありませんが、
「頑張れば収入を増やせるかもしれない」
という環境に身を置いたことで、チャレンジ精神がふつふつと湧き出てきました…!
ワクワク感
公立教員という大きなレールから外れました。
この先どうなっていくのか自分でも分かりません。
しかし、この上ないワクワク感があります。
今ある既存のレールを進むよりも、自分なりの道をかき分けて進んでいった方が、
自分の性格には合っているし、そっちの方が長い目で見た際に人生の幸福度は高いんじゃないか。
と考えています。
ワクワク感のある人生の方が絶対楽しい、そう確信しています。
非常勤講師のデメリット:非常勤講師になって失ったもの
次に失ったものを見ていきます。
非常勤講師のリアルです。
覚悟の上でしたが、結構シビアです…。
非常勤になって失ったものは
・安定感
・不自由ない収入
・権威性、社会的信用
・生徒との深いかかわり
です。
順番に見ていきます。
安定感
安定感がなくなりました。
教員採用試験は一発で合格したので、何かしでかさなければ職を失うということはありませんでした。
毎月仕事はちゃんとあるし、変に将来のことを心配せずに落ち着いた生活は出来ていました。
しかし非常勤講師は一年ごとの契約となります。
来年も契約を継続できる保証はどこにもありません。
どこの学校に行ってもやれる自信が付いたから退職に踏み切ったのですが、
実際は結構な不安が付きまとっています。
不自由ない収入
不自由ない収入がなくなりました。
教諭を続けていれば、大金持ちになることはあり得ないけれども、生活に不自由ない収入は確保できていました。
現在は私立大学で4コマ、私立中高で10コマ担当して、教諭の初任給程度です。
昇給やボーナスもありません。
空いた時間をどう有効活用して次の収入源を作っていくか、というプレッシャーが付きまといます。
社会的信用
社会的信用も失いました。
非常勤講師は時給雇いのアルバイトに近い感覚です。
定職ではありません。
稼ぎまくっているフリーランスの方でもクレジットカードが作れなかったり、ローンが組めないことがあるように、非常勤講師の社会的信用も低いです。
親戚の方に公務員を辞めたことを告げると、
「どうして辞めちゃったの!?もったいない…。」
という言葉をもれなくもらいます。
やはり「公務員」という肩書のパワーは絶大です。
絶大なパワーがあるがゆえ、心地よいものです。
それを捨てるほどの熱意があるのか、ということは1000回くらい自分に問いかけました。
ここはそれぞれの価値観で、完全に意見が割れる部分だと思います。
生徒との深いかかわり
そして一番気がかりなのがこれです。
やはり「担任を持つ、部活を持つことで生徒とより深く関われる」ということは事実です。
様々な問題が起き、時間が掛かることもありますが、一緒に乗り越えていくこと、そばにいることで信頼関係を築くことが出来ます。
なんだかんだいって、生徒にとってお世話になった先生、印象に残っている先生というのは、担任の先生、部活顧問の先生であることがほとんどだと思います。
「将来生徒が大人になった際に、飲み会に参加するのも教員の醍醐味だ。」
と尊敬するベテランの先生が話してくれましたが、本当にその通りだと思います。
「あの時はあーだった。」「この時にこんなこと言われた。」
そんなことを将来語り合えるのは、学校で共に生活し、苦楽をともにした生徒と教員だけです。
そうした語り合いの延長で、生徒の成長を実感することが出来るのだと思います。
非常勤講師の立場では、実際どこまで生徒の指導に携わって良いのか分からず、
生徒にとってきっと私は「英語を教えに来ている非常勤の先生」です。
このままでは生徒と深いかかわりを持つということは難しいのかもしれないな…、と率直に感じています。
ここの部分を「あり」とするか「なし」とするかが、教諭が良いかどうかを判断する重要ポイントのような気がします。
教諭と非常勤講師のどちらが良いのかは、それぞれの価値観次第
以上、非常勤講師になって得たものと失ったものをご紹介しました。
まとめると、非常勤講師になって得たものは
・自分のやりたいことに使える圧倒的な時間
・自由に働く感覚
・チャレンジ精神
・ワクワク感
非常勤になって失ったものは
・安定感
・不自由ない収入
・権威性、社会的信用
・生徒との深いかかわり
です。
【教諭と非常勤講師】のどちらが良いのかは、それぞれの価値観次第です。
しかし最後に、教諭を辞めようか悩んでいる方が読んでくださっているのであれば、一つ伝えたいことがあります。
それは「いきなり辞めないこと」です。
どんなに苦しい現状でも、その「現状から逃れるためだけに」辞めてしまうと、その後に困ってしまいます。
身体を壊す恐れがあるような場合には迷わず休むべきですが、一時の衝動で辞めるという決断をするのはどうか…と思います。
私の場合は、
・中高経験
・MA TESOL(英語科教授法の修士)
・英検一級
というちょっとした武器を手にして転職活動をした上で、
「英語教師としてはどこかでは雇ってもらえそうだ」という目星が付いたので退職の決心をしました。
どんなスキルでも良いですが、何かしらの後ろ盾は必要だと思います。
私自身は教諭を退職したことに全く後悔していません。
確かに「失ったもの」に挙げたようにシビアな環境になりましたが、自分でもびっくりするくらい何も後悔していません。
これまでにやってきたことが繋がって、ようやくチャレンジングな道が見えてきたこともあり、そういった道を進んだ方が結果的に自分の幸福度は上がると思っています。
「これからをどうしていくか」ということにワクワクしています。
しかしそれはあくまで個人的な意見なので、
・自分はどういった道を歩んでいきたいのか
・自分にとって大事な価値観は何なのか
といったことを、まずは時間をかけて考えてみましょう。
この記事が【教員としての働き方】への何かの参考になれば幸いです。
こちらの記事では、教員としてキャリアアップしたい方が検討してみる価値があることを紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。ではまた!