こんにちは、タカヒロです。
今回はそんな疑問に答えます。
この記事で分かること
・イギリス大学院 修士論文(dissertation)提出までのスケジュール
・修士論文を作成する上での注意点
この記事を書いた人
・2018年~2019年にイギリスBrighton UniversityでMA TESOLを修得。
・修士論文は英語教育関連のトピックで15000words執筆。
イギリス大学院では一年間で修士論文を一から作って完成させるため、スケジュールを知って計画的に進めることが最重要です!
※学部や留学の形式によって作成のスケジュールは変わっていくかと思います。文系大学院の一例としてご覧ください。
【イギリス大学院】修士論文を提出するまでのスケジュール
修士論文の提出までのスケジュールを書き出してみると、以下のようになります。
9月末 大学院スタート!
10~12月 Researchの仕方を学ぶ、修論テーマ、Research Questionを検討する
3月 Research Proposal(2000words)の提出
4月 Supervisor と面談をしながら論文を書き始める
5月 論文のパーツを書き続ける(先行研究まとめが中心)
6月 論文のパーツを書き続ける(Resultが中心)
7月 論文のパーツを書き続ける(discussionが中心)
8月 論文全体を通して書いていく
9月 論文の仕上げに入る
9月末 修士論文の提出!
10~12月 researchの仕方を学ぶ、修論テーマ、research questionを検討する
修論作成に向けての動きは、大学院が始まって早々に始まります。
僕の行っていた大学では、第1termにResearch methodという必修科目があり、修論トピックの決め方、リサーチの仕方など、修論作成のベースとなる知識を学びました。
必修科目なので、この科目を落としてしまうと、そもそも修論作成に進めませんでした。
この時期は他の科目を履修しながら、修論のテーマ、Research Questionを検討していきます。
3月 Research Proposal(2000words)の提出
年が明けると、いよいよ修論のトピック決めに入りました。
・十分な先行研究が見つかるか
・修論として(作成期間的に)可能なトピックか
・まとめたことをその後にどう活かすのか
などといったことを考えながら、トピックを決めて修論の骨格を作っていきました。
3月にはResearch Proposal (2000 words)の提出がありました。
Research Proposalとは論文のアウトラインのようなものです。
・先行研究との違いは何か
・どのような調査を行うのか
・何を明らかにしようとしているのか
等をまとめていきました。
Research Proposalが認められ次第、本格的に修士論文の執筆がスタートとなりました!
4月 Supervisor と面談をしながら論文を書き始める
4月にはSupervisorが決まり、面談を重ねながら論文を書き進めていきます。
面談をしていく中で、論文の核となるResearch Questionを深堀していきます。
また、ひたすら先行研究を読み、事前知識を付けていきます。
先行研究を読み続けることで、自分のResearch Questionの意義を見直すことにも繋がります。
5月~7月 論文を書き進める
5月までで通常の授業は終了し、その後はひたすら修士論文と向き合うことになります。
僕は
5月 ➡ 先行研究(Literature review)を調べ上げてまとめまくる。日本の高校へアンケート調査を依頼する。研究方法(Methodology)も書き進める。
6月 ➡ 日本の高校へ送ったアンケート調査が返ってきたため、分析して結果(Result)をまとめる。
7月 ➡ 結果をもとに、考察(Discussion)を書き進める。
といった流れで修論制作を進めていきました。
Literature review、Methodology、Result、Discussion…と大きなパーツごとにガンガン書いていき、8月に入るころにようやく10000wordsくらいになりました。
8月 論文の仕上げに掛かる(全体を通して書いていく)
8月に入ると、これまでに書いてきたパーツを繋げていく作業が中心になっていきました。
僕の場合は
・Acknowledgements
・Abstract
・Introduction
・Literature review
・Methodology
・Results
・Discussion
・Conclusion
・Bibliography
・Appendix
といった骨格に従って論文を形にしていきました。
またSupervisorとの面談を重ねて、Discussionを充実させていくヒントをもらったり、全体構成の方向性に間違いがないかをチェックしてもらいました。
9月 論文の仕上げに入る。
論文作成の追い込み期です。
目次を作ったり、Appendixを付けたり、細かい体裁を整えていきました。
また友達と論文を読み合って、分からないところ・伝わりづらい所を訂正していきました。
9月末
そして晴れて修士論文の提出です!!
この上ない達成感が待っています!
以上が修論提出までの大まかなスケジュールになります。
修士論文を作成する上での注意点
次に、実際に修士論文を作ってみて感じた注意点をまとめていきます。
4つの注意点があります。
・とにかく早めにライティングのスキルを磨き始めておく
・先行研究を読みまくって、書きたいフォーマットを明確にする
・見通しを立てておく
・書きたい部分から書いていく
順番に説明していきます!
とにかく早めにライティングのスキルを磨き始めておく
修士論文はライティング勝負です。
とにかく早めにライティングのスキルを磨き始めておいた方が良いです。
先行研究をまとめていく際も、そのまま引用してしまうとプレジャリズム(盗作)としていとも簡単に引っ掛かります。
“ ”を用いて正しく引用するか、先行研究の論文をパラフレーズしていく必要があります。
「読解力」「言い換える力」が求められます。
論文によく使われる用語をまとめたり、論文の主張を別の表現でパラフレーズしていくような練習をしておくと非常に役立ちます!
先行研究を読みまくって、書きたいフォーマットを明確にする
論文のフォーマットはある程度決まっています。
そして、論文を書いていく上でのヒントは先行研究にたくさんあります。
先行研究との違いを追求していくことが論文の価値になっていきますが、論文のフォーマットや語彙は非常に参考になります。
先行研究をたくさん読んで、自分が書きたいフォーマットで書いている論文を3本くらい手元に置いておくと困った時に助かります!
見通しを立てておく
8月に入ってくると、精神的にも追い詰められてきます。
Supervisorと理想の進度ペースを相談しながら書き進めていきましょう。
僕の場合は15000wordsの修論でしたが、10000wordsを越えた辺りで「やっと終わりが見え始めてきた…。」と思えました。
それまでは辛抱の日々です…。
5000wordsくらいの時は、まだまだ終わりが見えず不安になります。
しかし
・それぞれのパーツで何文字くらい書くのか
・それぞれのパーツを書くのにどれくらいの時間が掛かりそうか
ということを考えて見通しを立てながら進めていけば大丈夫です!
一日にどれくらい、一週間でどれくらい書いて行けばゆとりをもって完成できるのか、逆算しながら取り組んでいきましょう!
書きたい部分から書いていく
出だしから順番に書いていこうとすると難しいです。
ResultやDiscussionは修論の後半でしか書けませんが、全てを順番どおりに書いていく必要はありません。
Supervisorからは「その日に書きたい所から書いていけば良いのよ。」と教わりました。
本当にその通りで、修士論文と向き合う日々が続いていくので、気持ちのリフレッシュも兼ねて、その日に書きたいパーツを書いていった方が効率的なように思います。
あえて日を置いて先日に書いた部分を読み直してみると、付け足した方が良い部分に気付いたり、新しい観点に気付いたりすることができます。
とにかく手を止めないで、進められそうなところから進めていきましょう!
まとめ
以上、修士論文を提出するまでのスケジュールと制作する上での注意点をご紹介しました。
イギリス大学院の修論は一年での勝負となるため、提出までの流れを抑えた上で早めに動き出しましょう!
英語で説得力のある論文を書いていくことは決して簡単ではありませんが、完成すると一生の財産になります。
これから修論を書かれる皆さん、是非素敵な修論を作り上げていってください!
最後までお読みいただきありがとうございました!