こんにちは、タカヒロです。
こうした疑問にお応えします!
授業で自己評価シートを用いることは生徒と教員の両方に多くのメリットがあり、取り入れている先生が多いです。
しかし実際にはどのようなことに気を付けて実施していけば良いのでしょうか。
この記事では筆者が中学英語の授業で使っていた自己評価シートについて、一つの事例としてご紹介します。
この記事の内容
・中学英語の授業で使える自己評価シートの実施方法
・自己評価シートを実施する上でのポイント
筆者の経歴
・公立中学 教諭5年
・イギリス大学院 MA TESOL
・県立高校 教諭2年
・退職して私立大学・高校 非常勤講師
それではどうぞ!
Contents
中学英語の授業で使える自己評価シートの実施方法
自己評価シートの内容
僕が使用していた自己評価シートはこちらです。
記入する項目は
・date
・Lesson
・today’s aim
・preparation (○ ×で記入する)
・understanding (5段階で自己評価)
・today’s sentence
の6つです。
dateからpreparationまでは授業の開始時に記入し、understandingとtoday's sentenceは授業の最後に記入するようにしていました。
詳しく見ていきましょう!
自己評価シートの実施方法
僕は以下の方法で自己評価シートを実施していました。
手順
- 授業前に英語係が準備室から持っていき配布する
- 授業の始めに日付、レッスン名、本日の目標(today’s aim)、準備を記入する
- 授業の終わりにお題を与えて一文英作文をしたり、授業で学んだフレーズを記入したりする(感想を書くのではなく、学んだことを書き溜めていく)
- 列の後ろから前に送ってくる
①授業前に英語係が準備室に評価シートを取りに来て、クラスに配布します。
授業が始まるタイミングでは全員に評価シートが行き渡っていることが理想的です。
②あいさつやウォームアップを終えたら、日付、レッスン名、本日の目標(today’s aim)、準備を記入します。
準備は必要なものが揃っていれば〇、忘れ物があれば✕を記入するだけです。
目標については、例えば文法のcanが授業のターゲットであれば、
・自分の特技を紹介できるようにしよう
・友達にお願いできるようにしよう
・自分の苦手なことを伝えられるようにしよう
教科書の内容理解が授業のターゲットであれば、
・○○を読めるようにしよう
・○○について詳しく知ろう
といったように、
生徒が「今日の50分でこれができるようになるのか」ということを理解できるようにしてあげると良いです。
目標が明確になることで授業へのスイッチが入りますし、全員が一斉に目標を書くことで、授業にメリハリが出ます。
③授業の終わりに、理解度を5段階で記入し、さらに教員が出すお題に対して簡潔に記入していきます。
お題は
・学んだ表現を使って一文英作文をさせる
・授業で新しく知ったフレーズを書き込む
などとしていました。
お題は本日の目標と関連づけることがポイントです。
例えば、canの導入の場合は
・canを用いて、自分の特技を紹介する文を書きなさい。
・お隣さんに「消しゴム貸して」とお願いする文を書きなさい。
・自分が苦手なことを伝えなさい。
といった具合です。
授業の感想を記入させる先生もいますが、そうすると「楽しかった」「面白かった」といった意見を書いて終わりになる生徒もいるので、個人的にはあまりおすすめではありません…。
「その日に何を学んだのか」を一文でバシッと書けることが理想的かと思います。
④号令前に後ろから前へ評価シートを送ってもらって終了です。
自己評価シートを実施する上でのポイント
続いて、自己評価シートを実践する上でのポイントをご紹介します。
毎年実践していた中で気付いたこと、良かったことをまとめました。
「配る」「集める」を工夫する
評価シートは基本的に毎時間使用するので、「配る」「集める」を工夫して生徒にも教員にも負担がないようにしましょう。
授業終わりに列ごとに集めておけば、配る際も楽になるためおすすめです。
英語係さんにとっては貴重な休み時間に働いてもらうので、なるべく負担にならないように配慮が必要です。
たまにシャッフルして一人一枚配るのもあり
しかし「席替えしたため、カードがスムーズに配れない」というタイミングが出てきます。
そんな時は、カードをシャッフルして裏返したまま一人一枚ずつ配布していきます。
そしてカードを持ち主の元へ返しがてら英会話をさせましょう。
お題はその場で決めても良いですし、前時の復習を兼ねて質問をしても良いですね。
・自分が持っている評価シートを返す相手
・自分の評価シートを返しに来る相手
がいるため、授業の冒頭で2回やりとりの場面を作ることができます。
※コロナ禍のため現状での実施は難しいかもしれません…。
出来るだけシンプルにする
毎日記入しても飽きないように、自己評価シートは出来るだけシンプルにすると良いです。
記入する欄が多かったり、枠が大きすぎたりすると回数を追うごとにマンネリ化してきてしまうので、授業終了の1分で記入できるくらいがちょうど良いように思います。
僕の場合は、「後々見返した時に本人が一番楽しめるように」ということを念頭に置いて、一日一文を書き込むことに焦点を絞りました。
そうすることで、回を重ねていくとちょっとした自己表現集になっていきます。
ふとしたときに見返してみて、「あ、この時にこんな表現を学んだのか」ということが振り返られれば理想だなと考えて実践していました。
単元が終わったら新しいシートを配る
単元ごとに新しい自己評価シートを配り、厚紙の台紙に張り重ねていきます。
その単元でどんな表現を学んだのかを1枚で分かるようにしておくと、復習の際にも役立ちます。
チェックは基本ハンコだけにする
自己評価シートは基本毎日行うものなので、負担になることは避け、生徒・教員共に無理なく続けられることが一番です。
僕の場合は、チェックは基本ハンコのみにしていました。
コメントを書いていた年度もありましたが、自分が苦しくなってしまいハンコのみにしました。
38~40人×5クラスを担当していて、1日200人近くのシートを見るのにはかなりの時間が掛かりました…。
ハンコはこのようなタイプのものを使っていました。
小さいハンコが5、6つくらい入っているものが自己評価シートには使いやすいです。
ハンコセットは教員の必需品で、様々な場面で役に立ちます。
色々なシリーズがあるので、是非お気に入りのものを見つけてみて下さい!
自己評価シートのチェックをハンコのみ変えても特に不都合はなく、生徒にも「見てるよ~」ということは十分伝わるかと思います。
良く書けている例文を取り上げる
ハンコのみにする代わりに、たまに良いなと感じた例文を授業で取り上げてシェアするようにしていました。
自由に英作文を書かせると面白いことを書く生徒は必ず出てきます。
匿名で「こんな例文を書いた生徒がいるよ~」とオリジナリティのある例文や面白い観点を持った例文を紹介すると、書いた本人はとても嬉しそうにしています。
まとめ:生徒のための自己評価シートを作ろう!
今回は中学英語の授業で使える自己評価シートについてご紹介しました。
自己評価シートの作り方は先生方の授業の組み立て方やねらいによって変わってくるものだと思いますし、あくまでも一つの事例案としてご参考にされて下さい。
生徒のためになる自己評価シートを作って実践していきましょう!
以上参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
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ではまた!