こんにちは、タカヒロです。
そうした疑問にお応えしていきます。
教科書を使ってどのように指導していくかが教員の腕の見せ所ですし、音読指導は「音と文字」を繋げる重要な活動となります。
なるべく生徒が飽きないように、また活動に狙いを持って取り組めるように工夫していきたいですよね。
そこで、この記事では中学英語の授業ですぐに使える音読指導を10個ご紹介します。
この記事の内容
中学英語の授業ですぐに使える音読指導【個人活動5つ+ペア活動5つ】
筆者の経歴
・公立中学 教諭5年
・イギリス大学院 MA TESOL
・県立高校 教諭2年
・退職して現在は私立大学・高校 非常勤講師
それではどうぞ。
Contents
中学英語の授業ですぐに使える音読指導【個人活動5つ】
まずは個人で活動できる音読指導を5つご紹介します。
1 コーラス・リーディング
2 オーバーラッピング
3 Read and Look up
4 3分練習 ⇒ 一気読み
5 シャドーイング
順番に見ていきましょう!
1 コーラス・リーディング
まずはド定番のコーラス・リーディングです。
指導方法
①教員が教科書を読む、もしくはCDを流す
②生徒は後に続いて音読する
コーラスリーディングは、まだ教科書を声に出して読んでいない状態に、取り掛かりの活動として役に立ちます。
教員が読み上げた方が、読むスピードをコントロールでき、生徒がつっかえた場合にはすぐに追加で練習を行うことができます。
また日本人の教員が読み上げることで、生徒にとって到達可能なモデルを提示することができます。
CDで英語ネイティブの発音を聞かせることも大切ですが、日本人教員が音読をしてモデルを提示することが取っ掛かりとしては大切です。
2 オーバーラッピング Overlapping
オーバーラッピングは、流れてきた音声にほぼ同じタイミングで重ねるように音読する方法です。
シンクロリーディング、パラレルリーディングと言われる場合もあります。
指導方法
①CDを流す
②生徒はほぼ同じタイミングでCDに重ねるように音読する
オーバーラッピングすることで、文章のリズムや繋がりに意識を向けさせることができます。
ポイントはCDのスピードに付いていくように指導することです。
慣れるまでは大変ですが、繰り返していくことで英語のイントネーションが掴めるようになってきます。
3 Read and Look up
Read and Look upは教員が指定した文章を頭の中で練習させ、教員の掛け声に合わせて全員で指定した文を再生する活動です。
指導方法
①教員は生徒に読ませたい箇所を選び、「Read!」と言う。
②生徒は頭の中でフレーズや文を繰り返し唱える。
③教員の「Look up!」の声で、生徒は顔をあげたままその文を音読する。
この方法では、生徒は文章を頭の中に数秒間記憶した後に発声するため、練習中に文法事項や語彙へ注意を向けることになります。
教科書本文の中で文法的に重要な文などを取り上げて行うと効果的です。
集中力が必要な活動なので、教科書全文ではなく、ポイントに絞って行うことがおすすめです。
4 3分練習 ⇒ 一気読み
3分間個人で読む練習を行い、その後にクラス全体で早読み対決をする活動です。
コーラスリーディングなどで一通り音の確認が済んだ後に行うと効果的です。
指導方法
①一通りの音の確認が取れたら、3分間個人練習する
②3分後、教員の「Ready Go!」の声に合わせて、一斉に速読する
③最後まで読み終えた生徒から手を挙げ、教員は10人くらいまでカウントする
④最後の一人が読み終えるまで続ける
3分間の個人練習中に机間指導することで、読みが苦手な生徒を直接サポートすることができます。
コーラスリーディングやオーバーラッピングでは個人に指導の眼を向けることは中々難しいため、この活動での3分は非常に貴重な時間となります。
3分後、一斉に読ませた際には、早く読み終えた生徒先着10名をカウントするようにします。
そうすることで、英語が得意な生徒はトップ10に入ろうと、3分間練習も必死に練習をするようになります。
「早く読み終えればそれで良い」というわけではないので、あくまで英語のリズムやイントネーションは意識して読むように指導しましょう。
なお、トップ10以下の生徒にも「Good!」などと生徒全員に声かけを行いましょう。
5 シャドーイング
シャドーイングでは、何も見ない状態で流れてきた音声の後を追うように発声していきます。
難易度は上がりますが、英語が得意な生徒のためにも取り入れていきたい活動です。
指導方法
①CDを流す
②生徒はCDの少し後を追って、何も見ない状態でリピートする。
シャドーイングの練習は、リスニングスキルを伸ばす上で非常に有効です。
シャドーイングに興味を持つ生徒は英語が得意な生徒が多いですから、「なぜシャドーイングが有効なのか」ということを簡単に説明してから取り組むことがおすすめです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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【英語初心者向け】シャドーイングの効果的なやり方とおすすめ教材
続きを見る
なお、シャドーイングが難しい生徒は「教科書を見ながらリピートしてもOK」とすれば、全員が活動に取り組むことができますね!
中学英語の授業ですぐに使える音読指導【ペア活動5つ】
続いてペアで行える音読指導をご紹介します。
6 交互読み
7 翻訳読み
8 ペアでリピート音読
9 穴埋め音読
10 絵を使ったリプロダクション
順番に見ていきましょう!
6 交互読み
交互読みはペアで1文ずつ交互に読んでいく、ペア音読の定番です。
指導方法
①全員起立する
②1文ずつ交互に読んでいく
③最後まで終わったペアは、役割を変えて繰り返す
④合計で2周読み終わったペアから座っていく
交互読みのメリットは、ペアで読み方を確認出来ることです。
時間が掛かっても、ペアでしっかり全部の発音が分かるように確認しながら練習するよう指導すると効果的です。
全員を立たせてから活動を行い、終わったペアから座るようにすることで、英語が不得意な生徒を発見しやすくなります。
7 翻訳読み
翻訳読みは、日本語を英語へと変換する音読活動です。
指導方法
①日本語と英語が対比になったプリントを配る
②ペアの一人が日本語を読み、もう一人が英語で答える
③役割を変えて繰り返す
難易度は高めですが、翻訳読みでは英文の意味を意識しながら音読することが可能です。
日本語と英語の語順の違いに気付かせることもできます。
8 ペアでリピート音読
その名の通り、ペアが読んだ英文をリピートしていく音読活動です。
指導方法
①ペアの一人が一文を読む。
②もう一人は何も見ないで、言われた英文をリピートする
それぞれが英文を読めるようになっていることが前提となるため難易度は上がります。
しかし生徒はこの活動をすることを事前に分かっていると、「自分でしっかり読めるようにならなきゃ」と事前のリーディング活動により意欲的になります。
スムーズに読めなかったり、分からなかった場合には「One more, please.」などと言うように指導しておくことで、生徒は自分たちで「One more!」「One more!」と言いながら活動するようになります。
9 穴埋め音読
教員が準備した穴埋めプリントを元に、一人ずつ本文を再生していく活動です。
指導方法
①穴埋めプリントを配る
②ペアの一人がプリントを元に音読し、もう一人はチェックする
③役割を変えて繰り返す
そのレッスンで取り上げられている文法事項や熟語などを穴埋めにすることで、教科書の重要な部分に焦点を当てながら音読活動することができます。
プリントを作るのにひと手間必要ですが、一度作ってしまえば単元テストや定期テストなどに応用していくことができます。
といったサイクルを作っていくと効率的ですね!
10 絵を使ったリプロダクション
リプロダクションとは、本文と同じか、ほぼ同じ形で内容を再生する活動です。
絵を使ったリプロダクションでは、教科書の要点をまとめた絵を元に、本文の内容を音声再生していきます。
指導方法
①リプロダクション用のプリントを配る
②ペアの一人がプリントを元に絵を見ながら本文を再生し、もう一人はチェックする
③役割を変えて繰り返す
本文内容を導入する際に用いる紙芝居を場面絵として利用すると効果的です。
まずはプリントの右側を使って、穴埋め読みを行います。
穴埋め読みが出来るようになってきたら、場面絵を指を差して内容を追いながらリプロダクションしていきます。
英語が得意な生徒にはプリントを縦半分に折って、絵のみを見て本文を再生するように指導することができます。
時間は掛かりますが、ペアで二人とも読めるようになったら、先生の元へ来て発表するようにすることもおすすめです。
生徒がどれだけスムーズに読めているかで、どれくらい内容や文章構成を理解できているのかを確認することができます。
なお、絵を元に自分なりに表現を変えて内容を再生できるようになってくると、「リテリング」となります。
英語が得意な生徒には、自分なりにアレンジして内容を再生するように指導してみましょう。
リテリング活動について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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【話す活動】中学英語の授業で使えるストーリーリテリングのやり方
続きを見る
音読指導のバリエーションを増やして英語力を伸ばそう!
この記事では中学英語の授業で使える音読指導を10個ご紹介しました。
それぞれの活動にメリットがあるため、授業のねらいや生徒の状況に合わせて実践してみて下さい。
音読を通して生徒の英語力を伸ばせるよう頑張っていきましょう!
こちらの記事でも日々の授業に役立つ情報を発信していますので、ぜひ併せてご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた!