こんにちは、タカヒロです。
公立から私立の教員に転職しようか悩み中…。公立と私立で具体的にどんな所が違うのだろう。
そうした疑問にお応えしていきます。
筆者の私は、公立の教員を8年勤めた後に退職し、現在は私立中高で専任教諭として勤めています。
この記事では、実際に公立から私立へ転職してみて気付いた違いを、具体的にご紹介していきます。
この記事の内容
・私立にあって、公立にないもの6選
・公立にあって、私立にないもの6選
公立と私立の異動・給与の違いはこちらの記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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【公立教師と私立教師】異動・給与・仕事の違いを現役教員が解説
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※なお、この記事でご紹介している違いは、筆者の勤務校での経験を比較したものであり、全ての公立と私立に当てはまるものではないという点はご了承ください。
それではどうぞ。
Contents
私立にあって、公立にないもの6選
まずは「私立にあって、公立にない」と感じたことです。
①定時の感覚
②教員のドレスコード
③定期考査の採点日休み(生徒休業)
④習熟度別授業
⑤学力アップの責任感
⑥スペシャリストが求められる
①定時の感覚
私立にはありますね、定時の感覚。
17時を過ぎて仕事を頼まれたことはまだありませんし、話しかけられる際も「時間外にすみません…、」と一声かける風習があります。
特に用がなければ17時に帰る先生も多く、20時には学校自体が閉まります。
公立では20時ごろから学級通信書いたりしていましたので、時間の感覚が全然違います。
②教員のドレスコード
公立ではほぼ気にしたことがありませんでしたが、私立では勤務時の服装指定があります。
勤務校ではクールビズ期間以外はしっかりネクタイまで求められます。
いつお客さんが来てもおかしくないようにするため、当たり前といえば当たり前ですよね。
公立のようにジャージにクロックスという先生は体育科以外は一人もいません。
結果的に、私立の方がおしゃれな先生が多いように思います。
③定期考査の採点日休み(生徒休業)
これは非常にありがたいです。
中間考査、期末考査の翌日は採点日となり授業がないため、ゆとりをもって採点したり成績を付けることができます。
結果的に、勤務時間外に採点をするようなことにはなりません。
その他にも、成績会議や大きな職員会議がある際は短縮授業になったりと、成績処理や会議が勤務時間内に終わるように調整されています。
④習熟度別授業
特に数学や英語で習熟度別の授業を実施している学校が多いです。
私の勤務校では、普通科3クラスを4つの習熟度に分けて授業を展開しています。
1クラスごとの人数が少なくなり、英語のレベルも近いため授業がしやすく、塾に近い雰囲気になってきます。
学期ごとにクラス替えがあるため、競争心を持って授業に取り組む生徒も多いです。
私立で教員数がいるからこそ実施できる取り組みですね…!
⑤学力アップの責任感
私立の場合、ほとんどの保護者が学力アップを期待しており、教員はその期待に応える必要があります。
学期末の成績会議ではそれぞれの教科でどのような取り組みを行い、成果がどうであったのかを報告します。
授業参観でも、公立の場合は「我が子の活躍」を見に来るという趣旨が強いのに対し、私立の場合は「授業」を見に来るという趣旨が強いです。
高い学費を払って私立へ入れているので、やはり保護者の学習への熱意は全体的に高めです。
⑥スペシャリストが求められる
公立に比べ、何かのスペシャリストになることが求められます。
教科指導、進路指導、部活の顧問など、何かで生徒を惹きつけることができる教員が求められます。
極論、部活で実績を出すことで受験生を増やすことができれば、それで学校に貢献できていることになります。
公立にあって、私立にないもの
続いて、「公立にあって、私立にない」ものです。
①学年団の家族感
②他校教員との繋がり
③人事異動
④家庭訪問
⑤一部教員への仕事の偏り
⑥ジェネラリストが求められる
①学年団の家族感
公立の場合は、学年スタッフの間に家族のような雰囲気が生まれてきます。
公立で勤めていた際は、三者面談の期間などには「冷蔵庫にプリン入ってるよ!」と学年主任が労ってくれたり、スキマ時間にはフランクに何でも話し合うような雰囲気がありました。
その関係性は心地よく、教員間の仲が良い学年は、大抵生徒も落ち着いています。
②他校教員との繋がり
公立の場合は年に数回程度は他校で授業研究会があったり、年次研修などがあり、他校教員との繋がりができます。
様々な先生方と触れ合うことで、自分の取り組みが客観視できて教員としての幅が広がっていくことは間違いありません。
私立の場合は、自分で機会を作って足を動かさない限り、自分の学校で完結してしまう可能性があります。
公立で勤めていた際は、年次研修などは正直めんどくさいな…と感じていましたが、今思えば結構ありがたいことです。
③人事異動
公立の場合は人事異動があり、5~10年ごとに勤め先を変えて、職場環境を変えることができます。
私立は異動がない分、引っ越しをしたり、次はどこの学校になるのかという心配を抱えたりすることはありません。
その一方で、教員間の関係性や職場環境にマンネリ化しやすくなります。
現在の勤務校でも、勤続年数30年以上という先生方はたくさんいます…!
ここは公立が良いか私立が良いか、意見が大きく分かれるポイントのひとつですね。
④家庭訪問
コロナを機に家庭訪問がなくなった学校もありますが、公立では夏休み期間に家庭訪問があることが多いです。
実際に自宅に伺うことで、家庭内の状況が掴めたり、緊急時の対応がしやすくなったりします。
また地域のお祭りの際にはパトロールをしたりと、地域と密に繋がっていることも特徴です。
⑤一部教員への仕事の偏り
公立にいた際は、一部の仕事ができる教員の元にどんどん仕事が偏って集まってくる傾向を目の当たりにしてきました。
・要領よく仕事をこなしているのに、次々に仕事が降りかかってくる先生
・任せられる仕事が少なく、必要最小限のことを行う先生
と二極化されてしまう傾向がありました。
良くないのは明らかですが、その方が効率的に学年や学校が運営されてしまう現実があります。
私立の方が、4月の段階できっちりと校務分掌の割り振りがされて、仕事が分散されている印象です。
また教員数も多いため、一人当たりの校務分掌の数や仕事の重みも変わってきます。
⑥ジェネラリストが求められる
公立の場合、どこかに「授業がしっかりできて、担任が出来て、部活顧問が出来て初めて一人前の教員」といった雰囲気があります。
私立ではスペシャリストが求められていたのに対し、公立では何でもできるジェネラリストが求められるように思います。
正直これは、保護者からの多方面に及ぶ要望がそうさせてしまっているように思います。
各家庭でするべき教育を学校に投げかけてしまっているような現実が、結果的に先生方を苦しめています。
そうした中で公立で業務をこなしている先生に対し、もっと社会全体でリスペクトを示すべきです。
公立が向いている人、私立が向いている人
以上の気づきから、私なりに思う「公立に向いている人」、「私立に向いている人」の特徴を挙げてみると、以下のようになります。
私立が向いている人
・自分の授業で生徒の成績を上げることに躍起になれる人
・学校や教育といっても、ビジネスはビジネスと考える人
・生徒を惹きつける何か突出した知識や技能を持っている人
公立が向いている人
・勤務時間より、学年スタッフと楽しく勤めることを優先したい人
・成績を上げる責任感に追われず、生徒の成長を見守りたい人
・人事異動で環境を変えたり、他校教員との繋がりを築きたい人
情報を集めに役立つサイト
「私立も気になるな...」と感じた方は、私立の情報を集めてみましょう。
私が情報を集めるために使っていたサイトは以下の二つです。
①のサイトでは、毎週全国の私立中高の募集案内が更新されるため、学校選びの選択肢を増やすことができます。
②のサイトでは、無料の会員登録をして、オンライン上で職務経歴書を提出すると、様々な私立からアプローチの連絡が届くようになります。
一度きりの人生、私立への転職は大いにあり
一度きりの人生です。
公立の教員になったからといって、私立へ異動できないことはありません。
もちろん公立で勤め続けるも良し、私立へ異動してみるも良しです。
ただし、現状の安定感に縛られて、異動したい気持ちがあるのに何も行動せず後悔することは避けたいですね。
情報を集めながら、自分の強みが活かせる学校を見つけていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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ではまた!