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こんな方におすすめ
- 子どもの英語教育をいつから始めたら良いか知りたい
- 子どもの英語教育を始める上で、注意すべきことを知りたい
- 家庭で出来る英語教育を知りたい
「いつから子どもの英語学習を始めるべきか…」、パパママが抱える大きな悩みの一つですよね。
私にも0歳の双子がおり、「いつから」「どのように」英語に触れさせようか検討している最中であります。
しかし、言語学者や英語教育者の研究から、子どもの第二言語習得についてはおおよそこうした方が良いという方向性が見えてきます。
そこでこの記事では、上記の問いに関して、言語学者や英語教育者の意見を集約して第二言語習得の知見を元に回答していきます。
この記事の内容
・子どもの英語学習はいつから始めるべきか
・子どもの英語学習を始める上で注意すべきこと
・自宅で出来るおすすめの英語学習教材
筆者の経歴
・中高の英語教員歴11年
・イギリス大学院でMA TESOL(英語教育法 修士)修得
・0歳双子のパパで、子育て奮闘中
是非、最後までご覧ください。
Contents
子どもの英語学習はいつから始めるべきか
前提として、この記事での子どもの学習環境は
・両親ともに日本人であり、家庭内では日本語を利用している
・日本の環境下で子育てを続けていく
ということとします。
早速ですが、様々な本を読み、私が導き出した結論はこちらです。
・英語に触れさせるのは0歳から。1日1~2時間程度。
・音声の習得と興味関心を引くことに絞り、「教える」ようなことはしない。
・英語を「教える」のは母語の習得が安定してから。
あくまで持論です。
しかし、様々な研究結果から以下のような理由が挙げられます。
理由
①:ネイティブと同レベルの発音能力を身に付けるにはリミットがある
②:日常的に英語に触れる機会がない環境では、母語への悪影響は見られない
順番に見ていきましょう。
①:ネイティブと同レベルの発音能力を身に付けるにはリミットがある
ネイティブと同レベルの発音能力を身に付けるにはリミットがあるとされています。
このリミットは臨界期仮説と呼ばれています。
臨界期仮説とは、「外国語学習では、ある時期を過ぎるとネイティブと同じような言語能力を身に付けることは不可能になる」という仮説です。
「ある時期」に関しては6歳頃であるという研究、あるいは12~13歳であるいう研究もあり、一概に何歳であるかは定まっていません。
しかし、気に掛けたいのは、母語にない発音を区別できる能力は1歳までに失われるという研究があることです。(Janet F. Werker)
他にも、「生後10か月くらいまでは「r」と「l」の音の区別ができるが、それを過ぎると出来なくなる」と報告している研究もあります。
②:日常的に英語に触れる機会がない環境では、母語への悪影響は見られない
英語学習を始める上で気になることは、母語への影響はないのかということです。
その点については、英語を外国語として学ぶ環境(ESL)下では、母語への悪影響はないという研究しか見つかりませんでした。
いくつかの引用を紹介します。
乳児期から多言語を学ぶ子どもの能力に関しては膨大な量の研究があります。同時バイリンガルについては片方あるいは両方の言語習得に最初期のちょっとした遅れを示す研究もありますが、2言語の習得が言語発達を実質的に遅らせる、あるいは認知発達の邪魔になるという証拠は全くないのです。 ( 言語はどのように学ばれるか, p34)
言語学者として著名な白井先生も、
十分に母語を聞いて育つ環境にあれば、幼児外国語教育などで外国語を聞かせるぐらいで、母語に悪影響が出るという心配はほとんど必要ない。(外国語学習の科学, p46)
と述べています。
ただし、「十分に母語を聞いて育つ環境」という部分がポイントです。
例えば、両親が日本人で家庭内では日本語を使うにもかかわらず、インターナショナル保育園など、子どもが小さいうちに母語から切り離されて長時間過ごすような状況を作ることには注意が必要です。
研究の中には、
と報告しているものもあります。(Lily Wong Fillmore, 2000)
こうしたことから、日本で日本人の両親が育てる場合、まずは母語を十分に聞ける環境を作り、その上で1日1~2時間程度、英語に触れさせることから始めることが良いと考えられます。
子どもの英語学習を始める上で注意すべきこと
子どもの英語学習を始める上で注意すべきことは以下の3点です。
① 英語は「教え」ない!
② 早期の英語教育で高まる英語力は限定的である、と理解しておく
③ 母語の習得にもしっかりと取り組ませる
① 英語は「教え」ない!
幼い子供の英語教育では、英語は教えず、あくまで自然に取り組める環境を作ることが重要です。
大人は発達した認知能力を使った「明示的学習(意識的な学習)」が得意なのに対して、
子どもは聞いたものをそのまま覚えるといった「暗示的学習(無意識的な学習)」が得意だからです。
また、子どもは受験のような外的要因ではなく、英語そのものに興味関心を持つような内的要因を持ちやすいことも特徴的です。
② 早期の英語教育で高まる英語力は限定的である、と理解しておく
早く英語教育を始めればより高い英語力が身に付く、というわけではありません。
Larson-Hall(2008)の研究では、
・3歳~小学生の間に英語学習を始めた大学生61名
・12歳以降に英語学習を始めた大学生139名
に文法性判断と音素識別(r/l/wの識別)を行わせました。
その結果、音素識別については早期に始めたグループが少々高かったのに対し、文法性判断の正答率は変わらないことが分かりました。
③ 母語の習得にもしっかりと取り組ませる
幼少期は、母語を習得する重要な期間でもあります。
母語の習得は人格の形成、精神の健康に繋がるため、まずは母語の習得にしっかりと取り組ませることが重要です。
日本で英語を習得していく場合、母語が使える範囲内で英語が使えるようになっていきます。
また、英語教育学者の村野井先生は
日本人としてのアイデンティティが固まっていない幼いうちに、たとえば英米文化を偏重するような不寛容な姿勢が身に付いてしまったとしたら、それは早期英語教育がもたらす大きな弊害であり、このような事態こそ危惧するべきことであろう。(小学校英語の基礎知識、p46)
と警鐘を鳴らしています。
そうしたことを踏まえると、英語を「教え」始めるのは、母語の習得が安定し、日本人としてのアイデンティティが身に付いてきた後にすることが得策だと考えられます。
具体的には、小学校高学年になって、認知能力が発達してきてからで良いでしょう。
それまではあくまで「英語に慣れ親しむ」ことが重要だと考えられます。
自宅でできるおすすめの英語学習教材
最後に、自宅でできるおすすめの英語学習教材をご紹介します。
YouTube「ペッパーピグ」
英語の音声に触れさせるという面で、YouTubeは非常に優秀です。
無料でいくらでも動画が見つかることはとてもありがたいです。
中でもおすすめなのが「ペッパーピグ」というイギリスの幼児向けアニメです。
出てくるキャラクターが可愛く、一話が数分と短いためとてもおすすめです。
我が家では一日に30分程、ペッパーピグを移し流すという時間を作っています。
英語の絵本
Arnold&Rixon(2008)の研究によると、子供を教えている世界中の外国語教師76名に好まれる教材の特徴は以下の4点であったとされています。
① 楽しい
② リスニングとスピーキングが中心
③ やり取りを促す
④ 「食べ物」「動物」などのトピックを元に教材が構成されている
こうした特徴を兼ね備えている身近な教材が絵本です。
絵本を通して、親が英語を読み聞かせること、様々なものに興味を持たせることが有効です。
「英語は読めない…」という方は英語を読み上げてくれる絵本も沢山ありますので、そうしたものを活用してみましょう。
子どもの英語学習は「いつ始めるか」がすべてではない
この記事では子どもの英語学習をいつ始めるべきかについてご紹介してきました。
まとめると、
・英語に触れさせるのは0歳から。1日1~2時間程度。
・音声の習得と興味関心を引くことに絞り、「教える」ようなことはしない。
・英語を「教える」のは母語の習得が安定してから。
ということが有効だと考えられます。
しかし、年齢は言語学習におけるさまざまな個人差特性のひとつに過ぎません。
早く始めたから必ずしも英語が習得できるというわけでもなければ、遅くから始めても日常生活で支障のない英語力を身に付けている方は数え切れないほどいます。
子どもの英語学習については「いつ始めるか」以外に、学習環境が深く関わっているということを理解した上で、自分の子に合った形で英語に触れさせていきたいですね。
こちらの記事でもおすすめの子ども英語学習教材をご紹介していますので、是非合わせてご覧ください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた!